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「あ、なんなら君もどー?」

「っ…や、ヤダァァ!!あっち、あっち行ってよぉ…っ」

「くっそ…分かったよ、案内してやる。だから先出ろ」

「はい、行きますよデビル」

「バン甘ーい」


 一緒に回りたかったのにーと嘆くデビルをバンが連れ出し、彰鬼は遙香に向き直った。少しだけ泣いたあとがあり、それをペロッと舐めとる。


「しょ、ちゃっ!!///」

「しょっぺぇ…とにかく俺は行くから。何かあったら電話、忘れんなよ?」

「うん……バイ、バイ」

「……大丈夫だ、大丈夫」


 2、3度頭を撫でてから彰鬼は出て行った。心を落ち着かせた遙香は、楽しそうな声をバックに本を読み始め、ただ時間が過ぎるのを待つ。そして3時になろうとしていたときだ。


「遙香いる!?」

「あ……幸ちゃん」

「な、な、遙香って料理出来たりする?」

「ぇ…うん。どうしたの?」

「頼むっ!料理コンテストに一緒に出てくれ!!」


 パチンと顔の前に手を合わせ、頭を下げられる。いってる意味の分からない遙香はただ唖然とするだけで、しばし沈黙が訪れた。





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