6 「あ、なんなら君もどー?」 「っ…や、ヤダァァ!!あっち、あっち行ってよぉ…っ」 「くっそ…分かったよ、案内してやる。だから先出ろ」 「はい、行きますよデビル」 「バン甘ーい」 一緒に回りたかったのにーと嘆くデビルをバンが連れ出し、彰鬼は遙香に向き直った。少しだけ泣いたあとがあり、それをペロッと舐めとる。 「しょ、ちゃっ!!///」 「しょっぺぇ…とにかく俺は行くから。何かあったら電話、忘れんなよ?」 「うん……バイ、バイ」 「……大丈夫だ、大丈夫」 2、3度頭を撫でてから彰鬼は出て行った。心を落ち着かせた遙香は、楽しそうな声をバックに本を読み始め、ただ時間が過ぎるのを待つ。そして3時になろうとしていたときだ。 「遙香いる!?」 「あ……幸ちゃん」 「な、な、遙香って料理出来たりする?」 「ぇ…うん。どうしたの?」 「頼むっ!料理コンテストに一緒に出てくれ!!」 パチンと顔の前に手を合わせ、頭を下げられる。いってる意味の分からない遙香はただ唖然とするだけで、しばし沈黙が訪れた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |