宝寿祭─2日目
「か…カッコいいと思い…ます」
「そ。じゃあそう伝えとく」
(……あ、帰っちゃった)
きっと理樹に頼まれたのだろう。感想を聞くと手をあげて去っていってしまった。その15分後、ショーもようやく終わりを見せた。色々あったせいか校内を回ったせいか、疲れがドッと出てしまい、遙香は少し早めに家に帰った。
そして2日目は一般公開とイベントだ。いつにもまして人が増え、もうやることのない遙香は図書室に避難していた。そこには彰鬼がいつものようにそばにいてくれ、たまに幸慈が差し入れを持って入ってくる。
「彰ちゃんは楽しんだ?」
「あ゙?俺が楽しむように見えんのかよ」
「ふふ、そうだった。……あ、零にぃは来るかなぁ?」
「さぁな」
「にぃにもそういったの。でも…それでもいいのかなぁ…」
「?」
「だってさ、よく分かんなくなっちゃうし……彰ちゃんと2人でいれてるからっ」
えへへ、と笑う遙香の頭を彰鬼は優しく撫でた。その手が気持ちよくて身を委ねていると段々と眠くなり、徐々に、徐々に力が抜けていく。
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