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「ほい、アイス」
「え…あり、がと。…お金…」
「いいって。今日暑いしさー……あ、あれ右京先輩じゃね?」
「ん……うん」
本当のファッションショーのようにステージが作られ、ライトも当てられる。理樹を始め特進科に通うモデルや芸能人たちは、ポーズをとりながらみんなの前に現れた。何回も着替えをして笑顔は絶えなくて。体育館中に声援や歓声が響いた。
「すげー…お、加奈もいるし。うわっ、あれTaKじゃん!」
(…うるさいかも…)
「みんなカッケー」
「……そうだね」
それは仕事用の笑顔なのかもしれないけど、凄くキラキラしてみえた。自分に自信を持っていて、これだけたくさんの人を喜ばせて。遙香はただ静かにそれをみていた。
……が、
「ここにいたのかよ」
「っ…!?」
「えー?あ、会長」
「ったく探しちまったぜ。どうだ、あいつは」
「右京先輩のことッスか?かっこいいッスよねー」
「てめぇじゃねぇよ」
遙香の横にいつの間にか現れたのは、我らが会長藍染駿。遙香は慌てて幸慈の後ろに隠れるが、駿は気にすることもせずもう一度聞く。
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