10 「ほい、アイス」 「え…あり、がと。…お金…」 「いいって。今日暑いしさー……あ、あれ右京先輩じゃね?」 「ん……うん」 本当のファッションショーのようにステージが作られ、ライトも当てられる。理樹を始め特進科に通うモデルや芸能人たちは、ポーズをとりながらみんなの前に現れた。何回も着替えをして笑顔は絶えなくて。体育館中に声援や歓声が響いた。 「すげー…お、加奈もいるし。うわっ、あれTaKじゃん!」 (…うるさいかも…) 「みんなカッケー」 「……そうだね」 それは仕事用の笑顔なのかもしれないけど、凄くキラキラしてみえた。自分に自信を持っていて、これだけたくさんの人を喜ばせて。遙香はただ静かにそれをみていた。 ……が、 「ここにいたのかよ」 「っ…!?」 「えー?あ、会長」 「ったく探しちまったぜ。どうだ、あいつは」 「右京先輩のことッスか?かっこいいッスよねー」 「てめぇじゃねぇよ」 遙香の横にいつの間にか現れたのは、我らが会長藍染駿。遙香は慌てて幸慈の後ろに隠れるが、駿は気にすることもせずもう一度聞く。 [*前へ][次へ#] [戻る] |