修学旅行─前編
ジメジメと蒸し暑くなってきた6月、一年のときから準備しつつあったあの行事がついにやって来た。
「修学旅行inオーキーナーワー!!」
『ユッキーうっせぇ!』
『まだ出発もしてないよー』
「君たち!家を出たときから始まってるんだぜ」
飛行機で席についたと思ったらハシャぎだす幸慈。沖縄が初めてというわけでもないし、よく友達と来たりしたのだが楽しみなものは楽しみ。特に初めての友達と遙香との旅行だからなおさらだ。
幸慈の左、窓側の席に座ってる遙香は少しめんどくさそうな顔をしていた。集団行動が嫌いな遙香にとって修学旅行は苦痛以外の何ものでもない。せめてもの救いが、幸慈と同じグループになったことだろう。
『帰ってきたらお土産話聞かせてな』
『うん…いってきます、にぃに…』
『いってらっしゃい、ハル』
2泊3日も狛璃たちと離れるとあって、朝はなかなか離れることが出来なかった。修学旅行で単独行動が出来ない。グループといっても男女3人ずつの6人グループだ。不安は募るばかり…。
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