2 「遙香、せっかくだから楽しもーな」 「………」 「…うん、それでこそ遙香だ」 「……?」 「んじゃしゅっぱーつ!!」 こうして遙香たちは沖縄へと飛び立っていった。沖縄につくまでの間特にやることのない遙香は、わざわざ持ってきた本を読む。やたら幸慈が話しかけてくるがそれは無視だ。ただ本を読んで時間を潰した。 そして沖縄。気温は27℃と暑いくらい。女子は日焼け止めを塗ったり、みんなで上着を脱いだり、そうでもしないとやっていられない。 (暑…夏みたい) 七分のジーパンにスニーカー。上は半袖に薄い、黄色の上着を羽織っている。端から見ればもう女の子にしか見えなく、男子のイヤらしい視線や女子の妬み、その他の視線が絶えない。 『ねぇ小鳥遊くんっ』 「………何」 『日焼け止めは塗った?』 「いらない」 『えーせっかくの白い肌が焼けちゃうよ。貸すから塗ろうよ』 男がどうして日焼けを気にするだろう。でも同じグループの女子がどうしてもと勧めてくるので仕方なく受け取った。肌が見えてるとこに適当に塗り、日焼け止めを返すと女子は満足したように離れていく。 [*前へ][次へ#] [戻る] |