11 『英士先、輩?あれ…僕…?』 「怖かっただろ…。もう大丈夫だからな」 『海くん…僕一体…僕……うっ…、あ…!』 「「涼?」」 『嫌だっ…僕…!!ごめんなさっ…ごめ、なさい』 先ほどあったことが思い出されたのか、まだ混乱が抜けないのか、英士に抱きしめられながらも震えて泣き出してしまった。みんなでひっしになだめようとする。 大「大丈夫だよ。もう怖がらなくていいからね」 京「涼は悪くない」 英「ほら、ここにいるよ?」 陸「涼ー泣き止んでくれーっ!」 それぞれが色んな言葉をかけるが涼は止まらない。そこへ理事長がやってきた。英士から涼を受け取り、ぎゅっと抱き締めて目尻にキスを落とす。そして…、 「涼ちゃんは、ここにいていいんだよ」 涼を救う言葉を囁く。 『ほっ…とに?』 「うん。涼ちゃんがいなきゃおじちゃん、泣いちゃうな」 『泣かな…いでっ』 「…うん。涼ちゃんもね」 『んっ…』 やはり長い付き合いなのだろうか、それともあやしかたが分かっているからなのだろうか、涼はすぐに笑顔をみせた。いささか悔しいがみんなはそれにホッとする。 [*前へ][次へ#] [戻る] |