2
「無理だ。1人だけにしろ」
『うぅ…』
あっさりと考えを否定され、今にも泣きそうな涼。普段ならそこでみんなが慰めに入るのだが、完全に興奮してしまっているため、早く早くと答えを急かしている。
「ちょっとみんな止めなよ」
もう泣きます、と言うときに大地がフォローに出た。
「だったらどうしろと言うんだ」
「そ、それは…なんか違うやり方で…。じゃんけんとかクジとか…」
いきなり香に意見を求められ、もっとも正論だと思う答えを出した。みんなも確かに…と頷く。
「じゃあクジね。で、涼に引いてもらおう」
「「分かりました」」
最終的に出した英士の結論にみんなが同意した。となればやることは一つ、紙を用意し、それぞれの名前を書いていく。
「え?僕も?」
「何?大地は一緒がいいわけじゃないの?なら別にいいよ。確率が高くなるし」
紙を渡された大地。どうしようかと迷っていたが、英士にこんな事を言われては書かない訳にもいかない。…と大地が名前を書いていると涼があることに気づいた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!