3 『あれ?斉藤先輩は書かないんですか?』 「えっ…あの…」 「ああ、忘れてた。はい、元」 元太が答えに戸惑っていると英士が紙を渡してきた。 "本当は渡す気無かったくせに" この場にいた全員が心の中で思っただろう。 みんな名前を書き終え、袋に入れた。後は引くだけだ。 「さぁ涼、引いて?」 『あっ、はい』 と涼が袋から取り出した紙には…、 "小池大地" 「えっ…僕!?」 「「え゛ーっ!?」」 「「そんな…」」 香「やり直しだ」 英「絶対認めないから!!」 『わぁ…よろしくお願いしますっ!!』 名前を見た途端、みんなから非難の声があがったが、最後の涼の一言でみんな何も言えなくなってしまった。もう涼は大地と一緒になる気満々だし、クジを引いたのは涼だ。 手を繋いでいる2人を英士は横目でみながらやっぱ渡さなければよかった、と後悔するのだ。しかも涼が決まってしまった今、みんなもう諦めモードに入ってしまっている。 『みんなはどーするの?』 「あーどうしようね…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |