7 『運転…ありがとうございました』 「あー?……あぁ」 『?…あ、あのお店に入ってもいいですか?』 「……………はぁ」 何も答えてないのに走っていってしまう涼の後を、嫌そうな顔をして久がついていった。そこはアクセサリーショップで、女物も男物も揃っている。涼はうーんと唸りながら中を見て回る。 『ど、れ、に、し、よ、う、か、なー?』 「早く決めろよ」 『んもう、急かさないで下さいっ』 「………チッ」 あの中の誰が受け取ってもいいもの。それを選ぶのは難しくてなかなか決まらない。涼は久にも選ぶように催促してきた。 (つかなんで俺が…) 完全にいいように使われている自分に嫌悪しながらも、涼と一緒に中をみて回っていく。すると久の目にあるものが入った。 「おい、これは?」 『えっ…あ。もう!久先輩には似合いますけど…他の人がすると思いますか?』 「……しねーな」 そういって久はドクロのチェーンを元に戻した。シンプルだけどかっこいいデザインで、つい手に取ってしまったのだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |