8 結局最終的には涼が選んだものとなった。シルバーの携帯ストラップだ。2枚の銀板がついていて、自由に彫れるようになっていた。 そしてそれを会計し、外に出たときだ。涼が久に紙に包まれたものを渡してきた。 「あ゙?んだこれ」 『今日のお礼です。色々ありがとうございました』 「はぁ?…ったく、どれ?」 そういって久は中を開けた。そこから出てきたのは小さなピンバッチ。ドクロのデザインで、先ほどみていたチェーンによく似ている。 『あの…あれはちょっと高くて、それで…そのっ』 「これにしましたってか?」 『…はい。受け取ってくれますか…?』 「……もったいねぇからもらっといてやる」 『っ、はい!』 顔を少しそらしてそう言う久に、涼は満面の笑みで頷いた。小さな、自分では絶対に買うことのないそれを久は見つめながら、胸ポケットにそっとしまった。 『それじゃあ学園に帰りましょう!』 「……………はぁ」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |