4
「まわ、す?」
『うん。輪になってハイどーぞってやるの!……あ、あんまり高いのは止めてね…?』
そんなに高いのは買えないから、と涼は言うがみんなそれどころではない。
誰よりも自分が一番いいものをあげようと思っていたし、涼からもらえることを期待していた。なのに…実際にもらえるのは1人だけ。
その日は大変なことになるかもしれないなんて思いもしない涼は、1人楽しそうにパーティーの計画を着々とたてていくのであった。
そして次の日、涼は無断で学園を出ようとしていた。無断といっても本来は時間までに帰ってくればいいのだが、涼の場合はそうはいかない。何が起きるか分からない今、常に誰かと一緒にいるようにと約束させられていたのだが……、
『ごめんなさいっ』
プレゼントを買うのにみんなと行くことなどできない。涼は学園に向かって謝り、買い物に出ようとした。…そのときだ、見慣れた人影を見つけたのは。
『んあ、久先輩!こんにちはー』
「……またお前か」
『もう、浅見です!久先輩もどこかへお出かけですか?』
「……だったらなんだ」
『僕も何ですっ!一緒に行きましょう……じゃなくて24日はお暇ですか?』
「はぁ?」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!