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何よりも英士が嬉しそうだ。選挙はまだしてないのに、もう受け継ぎの準備を始めている。
そして涼たちが選挙に出ると決まった次の日には、学園中に彼らのポスターが張り出された。困ったことに人気のある人たちのポスターなため、よく紛失してしまうのだ。発行しても追いつかないほどである。
中には涼のポスターに何かがこびりついているものもあり、これには生徒会総出で犯人さがしをした。もちろん涼本人は知らない。
そんな彼らが演説という名のただの挨拶回りをしていたとき、陸と竜也はとても暇を持て余していた。
「なーたっちゃーん…」
「あ゙ー?」
「暇だよなー」
「…まぁ。涼がいないからな」
「なんか俺涼不足だわ」
「ははっ、確かに」
2人で1on1をしながらのほほんと話をする。
挨拶回りやらなんやらでなかなか涼と触れ合う時間がないのだ。来年はこれ以上かと思うとどこかさみしく感じてしまう。
…しかももしかしたら陸だけになってしまうかもしれないのだ。
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