竜也 それを聞いて英士の顔から表情が消えた。犯人が伊藤みずきだと分かり、自分がちゃんとしなかったせいだと考えてしまったから。 「…ちょっと行ってく、 ─バタン ………え?」 英士が出て行こうとした。ちゃんと話をするために。…しかしそれよりも早く誰かが出て行く音がした。辺りを見渡せば先ほどまで寝ていたはずの竜也の姿がない。 京「おい、もしかして…」 陸「まずいな。早く止めねぇと」 英「あ、れ…涼は?」 「え、ここに……っていな、い」 次々と起きる事件、竜也の後を追っていってしまった涼。みんなも慌ててその後を追った。 「あんたが伊藤みずき?」 「えっ……っ!?」 寮のある一室、竜也はそこで中にいた人に声をかけた。みずきはまさかここまで来ると思っていなかったのだろう。腰が引けたように後ずさり、中へと逃げていった。 「なー知ってる?俺さ、涼がめちゃ大事なわけ」 「だっ、だったらあんたが英士様から早く奪っちゃってよ!」 「指図しないでくれますかー?他人を使わなきゃ何も出来ねーくせに」 一歩一歩竜也は近づきながら、目の色を変えていく。 [*前へ][次へ#] [戻る] |