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香「涼…落ち着いたとこで悪いんだが話がある」
『な、んですか?』
「誰にやられた?お前を連れ去ったのは誰だ」
─シーン…
みんなが話を聞こうと静まった。だけど涼からの答えは分からない。ずっと目隠しをされていたのだから当たり前なのだが、このままではみんなの怒りが治まらない。
そんなことを知らない涼はのんきに自分の様子を観察し始めた。
『…あれ?僕の服どうしちゃったの?』
「ああ、破けちゃってたから俺のジャージ着せてやったぜ!」
『これ陸ちんの?わぁー大きいねっ』
「俺のを涼が着るなんて…最高だっ」
服が制服からジャージに変わっているのに驚いた涼は、なぜ服が破けたのか分かっていないようだ。それはまたみんなを悲しませる結果になるが、笑顔になったんだからと何も言わないことにした。
『…あ、そういえば…』
ふと涼が何かを思い出したようにこういった。
『そこにいた人、英士先輩のこと何か言ってました』
「…僕?」
『はい。えーっと…愛してるのにって』
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