[携帯モード] [URL送信]
12
香「涼…落ち着いたとこで悪いんだが話がある」

『な、んですか?』

「誰にやられた?お前を連れ去ったのは誰だ」

─シーン…

みんなが話を聞こうと静まった。だけど涼からの答えは分からない。ずっと目隠しをされていたのだから当たり前なのだが、このままではみんなの怒りが治まらない。

そんなことを知らない涼はのんきに自分の様子を観察し始めた。


『…あれ?僕の服どうしちゃったの?』

「ああ、破けちゃってたから俺のジャージ着せてやったぜ!」

『これ陸ちんの?わぁー大きいねっ』

「俺のを涼が着るなんて…最高だっ」

服が制服からジャージに変わっているのに驚いた涼は、なぜ服が破けたのか分かっていないようだ。それはまたみんなを悲しませる結果になるが、笑顔になったんだからと何も言わないことにした。

『…あ、そういえば…』

ふと涼が何かを思い出したようにこういった。

『そこにいた人、英士先輩のこと何か言ってました』

「…僕?」

『はい。えーっと…愛してるのにって』

[*前へ][次へ#]

20/41ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!