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逆に同じ顔の海は真っ黒な柄のない、シンプルなものを着ている。大人の雰囲気漂う落ち着いたものだ。
そして竜也は……、
「おい、何で俺だけ甚平なんだよ」
いかにもお祭り男と言わんばかりの甚平を着ていた。
「ブハッ!!似合うぞ竜也。はちまきも忘れるなよ」
「いらねーよ!」
「まぁまぁ竜也だけじゃねぇしさ。似合いそうなやつ5人選んでみた(笑」
笑いをこらえながら説明する陸はどっからどうみても確信犯だ。本当は竜也1人だけだったのだが、南がそれではヒドすぎると言ったので、クラスで5人選ばれたのだ。
『でもたっちゃん、強そう!』
「は……え、そうか?」
どこが強そうなのだろうか。だが涼は目を輝かせて竜也を見ている。仕舞には自分もはちまきをすると言い出した。それに嫌がっていた竜也も、ここまで言われてしまえば何だか甚平がかっこよく見えてくる。
クラス5人、涼に褒められて快くそれを着ることになった。
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