6 なんで、とも思うが南がこの中で一番ファッションセンスがあるのだ。南の家は美容院で、今は良と2人でトータルコーディネートのお店をやろうと意気込んでいるくらいなのだから。 みんなは手渡された浴衣を持ち、着替え始めた。途中、その場で何の躊躇いもなく脱ごうとした涼を、慌ててカーテンの後ろへ連れて行くというハプニングもあった。 「うっはー!!やっぱ涼可愛いな」 南と悩みに悩んで選んだ涼の浴衣。綺麗な白色に控えめに描かれた真っ赤な金魚。幼さと可愛らしさを引き立てている。 「かっわいいよアーサ!ね、髪の毛もいじっていい?」 『うん。ありがと南ちゃん。南ちゃんも可愛いよっ』 一方南は真っ赤な浴衣を着込んでいた。そこに描かれる真っ白なうさぎ。涼と色を逆にしたようだ。こちらは綺麗や情熱的なものをイメージさせる。 「なっ、俺は俺はー?」 『陸ちんもカッコイいよ』 薄緑色の浴衣を着込んだ陸。その姿で騒ぐ陸は、お祭りではしゃいでいる子供のようだ。柄もどこかそんな感じがする。 [*前へ][次へ#] [戻る] |