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(うーバカじゃないのに…泣いちゃダメなのに…)


「いいねその顔、めちゃそそる。大丈夫だよ。これからいーっぱい鳴かせてあげるからねvV」


そう言って英士は涼の頬を流れる涙をペロッ、と舐めた。そして降り落ちるキス。頬に、額に、瞼に、そして…唇…─バァン!!─


キスをしようとした途端部屋の戸がいきなり開いた。そこにいるのは目の下に傷のある黒髪の男。

突然のことに涼の涙は止まり、英士も固まってしまっている。だがその男は何にも気にかけず、部屋を横切り2人の前に立った。


「いくら副会長でも今日来たばっかの子に手を出すのはどうかと思いますけど」

「は?何君。これからいいとこなんだから邪魔しないでよ」

「無理です。早く出てって下さい。てかその子何も知らないんじゃないですか?そんな子に手を出すなんて……卑怯者ですか」

「なっ!?──っ、今日はこれ位にしてあげるよ。じゃあまたね涼vV」


最後の小さく囁かれた言葉が効いたらしい。英士はまだ呆然としている涼にさよらなをし、部屋を出ていった。


『…あのっ、ありがとうございました!!』

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