4 涼と見知らぬ男2人という何とも言えない空気を涼が変えた。"ありがとう"。知らない人でも助けてもらったことに変わりはない。だからお礼をした。 「ん、別にいいよ。君…浅見涼君だよね?俺はこの部屋の隣の黒田京一。面倒見るよう頼まれたんだ。よろしくな」 『うん!!よろしくお願いします、京ちゃんvV』 「京…ちゃん?」 『あ…駄目?』 「いや…涼だけ特別な」 そう言って京一はフッと笑い、涼もニコッと笑った。実は涼たちが理事長室を出た頃、涼の部屋の前に京一は立っていた。 *京一side* 「まだ…来てねぇか」 今日来る人の面倒を見るように言われた。正直面倒。あまり人と関わらないようにしてる俺にとっては迷惑な話だ。適当にやればいいだろう。…そう思ってた。 ─パタン どうやら隣の奴が帰ってきたらしい。仕方ねぇ…行くか。 『──ゃっ──』 ?…1人じゃないのか?なら後で出直した方がいいか。そう思っていたら、 『んやぁっ!!英士せんぱっ…』 あーどうやら同意では無いらしいな。どうしよう…なんて、気がついたら部屋の戸を開けていた。中はガランとしていて、備え付けのベッドの上にここの住人はいた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |