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『おっきー!!お魚さんいっぱいだー!』
「うっはーサメじゃん」
『わっ、大きいね』
「ん?涼はサメが怖いのか?」
『そっ、んなことない…もん…』
あははと笑いながら中を眺めていく内に、話は危ない方向へ変わってきてしまう。
『ね、陸ちん!あの鰯光ってきれーだね』
「お、ほんとだ。…うまそー」
『えー何言ってるの?さっきのタコさんの方が美味しそうだったよ?』
「それを言うならカニだろカニ!!」
『カニ食べたーい!チョッキンチョッキンカ・ニさん♪』
……。どの魚が美味しいか、そんな話に変わってきてしまった。周りがジロジロ見ているのにも気付かず、魚を見る度にこんな会話をしてしまう。仕舞いには、
「あのマグロとカツオ、売ってくれねぇかな」
『ねー』
なんて話まで飛び出してきた。これにはさすがにみんなが2人を凝視し、やっと陸が気づいた。
「やべぇ…っと涼。お昼にしよう、そうしよう!」
『んっ?どしたの?』
「さっ、早く行くぞ」
『うわぁ…!!』
陸は未だ分かってない涼の手を取り、中へ建てられているレストランへと入っていった。だが涼は先ほどの会話がまだ残っていてメニューを見たときに、
『お刺身とかないね…』
と言って周りからクスクス笑われていた。
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