デート*英士・香
そんなある日、涼に電話がかかってきた。もちろん携帯は持ってないので家の方へ。
その電話の相手は英士で、デートをしようというものだった。断る理由のない涼は了承し、次の木曜日に合うことになった。
そして約束の日。
「いいか?門限は5時だからな」
『はーいっ』
「変な人について行っちゃ駄目だぞ」
『はーいっ』
「パパも行きたいよぉ」
『…行ってきまーす』
この、行ってきますという言葉を言うまでに10分はかかった。しちゃいけないことなど色々言われ、やっと出発することが出来たのだ。
待ち合わせ時間は10時。涼が着いたのは10分前…でも英士はもう来ていた。香と一緒に。まさか香までいるとは思ってなかった涼は、足を止めてしまう。それに気づいた2人が近寄ってきた。
「おはよう涼」
『おはよ、ございます』
「ごめんね。香も連れて来ちゃった」
『あ、大丈夫、です』
とは言ったものの、まだ香の方をみることが出来ない。それでも大丈夫だと言ってくれたことに香は喜んでいたのだ。正直、帰ったりするのではないかと考えていたのだから。
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