4 その日の目覚めは最悪だった。汗はびっしょり掻いていて、自分の叫び声で目が覚めた。その声を聞いて駆けつけてきた両親は、何も聞かずにただ抱きしめていた。 「そーだ涼ちゃん!今日はママとパパと3人でお買い物に行こっか」 『うんっ!』 「よーし、じゃあお着替えだ。パパと競争だからなー」 『僕負けないもんっ』 キャッキャキャッキャはしゃぎながら2人は着替えを終えた。3人で車に乗ってついた所は、大手の大型デパート。つまりは買い出しだ。カートを引きながら食べたい物を入れていく。ただそれだけでも涼には十分なのだ。 「おぉお涼ちゃん!みてみろ」 『なぁに?』 「このアイス…美味そうだな」 『ほんとだー!美味しそっ』 「食べたいよな」 『食べたいっ』 ママの方をチラチラみながら大声で会話する2人は、恥ずかしい以外の何者でもない。だから他人の振りをしていたのに、今度は近くに寄ってきて同じ事を繰り返した。 「あーもう!買っていけばいいじゃない」 『「やったぁ」』 そう言ってカゴに入れたのは様々な種類の大量のアイス。これにはさすがにママもキレ、結局一人一つになった。ブーブー文句を言っている2人をママは見捨て、勝手にレジを済ました。これが浅見家の日常だ。 それからもいっぱい甘えた。家でのんびりしたり、散歩に出かけたり。パパの仕事が気になるくらい3人はべったりだった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |