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マジックワード
友達の弟
麻衣はある時、女友達の家に遊びに行った

─ピンポーン

「はい、こんにちは」
と出てきたのは友達の弟だ

学校から帰ったばかりであろうと思われる制服姿だ

「直美… じゃなくてお姉ちゃんは?」
と麻衣

「姉ちゃんなら居ませんけど… バイトかな…」
と弟くんは言う

今日の麻衣は豹柄のピチピチのワンピース、当然のごとくミニだ

弟くんは麻衣のド派手な格好に目がくぎ付けになっていた

「あれっ、5時くらいには帰ってるはずなんだけどな… ねえ、待たせてもらってもいいかな?」
と麻衣

「はあ、いいですけど…」
と弟くんはあっけに取られている感じだ

「いいの? ごめんね」
と麻衣は言うと玄関に入り、スゴスゴとブーツを脱ぎ始めた

直美は弟と二人暮らし

今までにも弟くんに数回会ったことがあり、麻衣は虎視眈々とその機会を狙っていた

麻衣はブーツを脱いでしまうと
「お邪魔します」
と言ってツカツカと室内に入っていく

そして勝手に低いテーブルのところに座った

弟くんはキッチンへ行き、オレンジジュースをグラスに注ぐ

そして、それを持って室内に行き
「何もないですけど、どうぞ」
とジュースを置いた

「どうも。ねえねえ、君も座んなよ」
と麻衣

弟くんは素直に座った

位置としては麻衣の正面だ

「名前、何ていうの?」

「弘幸です」
と弟くんは言う

「弘幸くんて言うんだ。私は麻衣、よろしくね」
と麻衣は言うと右手を出して握手を求めた

弘幸は恥ずかしそうにモジモジしながら握手する

そして手を離すと麻衣は
「高校生?」
と質問する

「はい、高2です」

「へえ、かわいいよね」
と麻衣が言うと、弘幸はまた恥ずかしそうに笑った

「ねえねえ、普段お姉ちゃんとはどんな話をするの?」

「えっ、あまり話さないです」
と弘幸

「何か話すでしょ。『今日は遅くなるから』とか『帰りにジュース買ってきて』とか…」

「ああ、でもそれくらいです」
と弘幸

これでは話が広がらない

「しないんだ… 姉弟でエッチな話とかしないの?」

すると弘幸は大笑いして
「しませんよ」
と言う

麻衣はこの笑い方を見て、照れ笑い、しかも大照れ笑いで、おそらく女性と下ネタを話したことがないのだろうと判断する

つまり童貞だ

麻衣も弘幸と同じ程度笑って
「でもさ、今がそういうことに一番興味があるときじゃん」
と言う

「うん… あんまり興味ないかな…」

間違いなく童貞だ

「私とか興味ない?」
と麻衣は自分を指差す

弘幸はニヤニヤしながら、右に左にと首をかしげるだけだ

「えーっ、ショック… 今日すごくかわいい服着てきたのに…」
と麻衣は泣きそうな表情を見せる

すると弘幸はその場と取り繕うように
「いやいやいや、いいと思いますよ。似合ってます、似合ってます」
と言った

「本当? じゃあ、ちょっとだけ興味ある?」
と麻衣

これには嫌とは言えない弘幸は
「は、はい…」
と言う

徐々に麻衣がペースをつかんできた

「へえ、直美は弟とエッチな話をしないんだ…」

「いや、普通しないでしょ」
と弘幸

「えっ、私するよ。私も弟がいるんだけど、弟がエッチなDVD持ってるから『親に内緒にしといてあげるから、DVD貸して』とかさ」

「えーっ、マジっすか?」
と弘幸は驚いたような表情だ

「うん、するする。とかさ、『あんた、エッチなサイト教えてよ』とかね」

「えーっ、僕はできないかな…」

「ねえねえ、エッチなサイト教えてよ」
と麻衣はスマホを取り出す

「えっ、知りませんよ」
と言いながら、なぜか弘幸も携帯を取り出した

弘幸は完全に麻衣にシンクロしている

「えーっ、知ってるでしょ… お願い、教えて」
と麻衣

「いや、普段見ないから知りませんよ」

「えっ、だって今携帯見てるじゃん」
と麻衣

「いや、これは違いますよ」

「えーっ、普通男の子は見るんじゃないの?」
と麻衣は笑い混じりに言う

それでも弘幸は
「いやいや、見ませんよ」
と崩れない

「お願い、お願い、本当に教えて。今知ってるところはもう飽きちゃったのよ。だからお願い」

弘幸が携帯で何をしているのかは解らないが、弘幸は携帯の画面を見ながら
「じゃあ調べましょうか?」
と言った

「うん、うん、調べて」
と麻衣

弘幸は何か入力している

本当に調べているみたいだ

麻衣はまだ動かない

というよりは、麻衣自身もスマホで何かを検索しているフリをする

そしてしばらくすると
「おっ、あった、あった」
と弘幸が言った

麻衣は立ち上がり
「あった? マジで?」
と言いながら弘幸の隣に移動する

相手に携帯で何かを検索させる

これはこの後に近寄りやすくなり、場合によっては一気にくっつくことさえ可能になる

「えっ、どんなの? 座らせて、座らせて」
と麻衣は弘幸の隣に座った

「ほら、こういうの」
と弘幸は麻衣と隣り合わせで携帯の画面を見せる

それは大手アダルト動画サイトだった

麻衣も見たことがあり、1分間のサンプル動画が見れるサイトだ

「えっ、これだけじゃわかんないよ。先に行って」
とサイトに入るように促す

弘幸は下にスクロールしていく

そして「18歳以上」と「18歳未満」のところまでたどり着く

ここで弘幸は「18歳以上」をクリック

新しいページが出てきた

弘幸はまた下にスクロールしていく

「これなんてどうですか?」
と弘幸が麻衣に見せたのは、タイトルが「姉のパンチラに欲情し、姉を押し倒したら簡単にヤレた」という物だった

「いいね、いいね、見ようよ」
と麻衣

ここが勝負、麻衣は心からうれしそうな表情を見せておいた

「これ? これかな?」
と弘幸は「サンプル動画」のところにカーソルを当てている

「それ、それ。それを押せばいいんじゃない?」

そして弘幸は「サンプル動画」をクリックした

携帯なのでダウンロードに時間がかかる

「うわぁ〜 楽しみ〜」
と麻衣は言いながら右手を弘幸の肩に乗せた

顔も右手の近くまで寄せていく

そして再生が始まる

まずは姉役のAV女優のパンチラからだ

それを弟役が隠れて見ている

また別のパンチラシーン

今度は弟役が隠れてモノをしごいている

それに姉が気づいてしまう

セリフは「あんた、何やってんの」

しかし弟は逆に姉を押し倒してしまう

そしてセックスシーンへ

麻衣はチラッと弘幸の顔を見てみた

すると動画を真剣に見ている

これは好都合だ

サンプルの再生が終わると麻衣は
「次、見ようよ」
と言う

動画プレーヤーの下にはオススメが出ていた

麻衣はそれを指差し
「ねえ、今度はこれがいい」
と言う

タイトルは「姉の友達がセクシーすぎて…」という物だ

麻衣が完全に狙ったタイトルだ


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