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「あー、ほらほら、手が止まってますよ」
「えっ、あ、はいっ」
条件反射で作業を再開する私の横で、急に吹き出す。
「そういうとこ、初々しいですよね、相変わらず」
「……知らないっ」
いつの間にかからかわれタイムに突入している。年下と分かった今はちょっと複雑な気分だ。
私の方が年上なのに。
……後輩だけど。
坂本雅之くん、バイト先の先輩。
爽やか笑顔の好青年、仕事もできる、背も高い。性格は、少しいじわる。でもやっぱり優しい。
毎日バイトで大変だね、という話から始まり、今度飲みにでも行かないかと誘ったことから分かった事実。
彼は十八歳、高校三年生、つまりは未成年。
後輩の私に敬語で喋っていたのも、夜勤に入れないのも、お酒を飲めないのも、全てそのせいだということが分かった。
ちなみに私は年上だろうとあまり敬語は使わない。仲良くなれそうだな、と思ったら大抵すぐため口になる。
だから雅之くんにもため口で話していたんだけど、まさかこんなどんでん返しがあるとは。
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