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自分がこんなにもちっぽけだと、君に会って気付かされた。
「えっ、十八!?」
お客さんが途絶えたちょっとした時間に分かった驚愕の事実に、私はつい大声を出してしまった。
「ん、んーっ」
レジに立っていた店長が咳払いをしてこちらに睨みを効かせた。
苦笑混じりに愛想を送ってから、私は隣にいた人物に改めて視線を送った。
今はしゃがんでいるから分からないけど、立てば背は高いし、仕事もいつもしっかりしてるし、とにかく「落ち着いてるなぁー」というのが第一印象だったので、ただただそのギャップに驚くばかりだった。
「はは、そんなに老けて見えました?」
「ううん! そういうんじゃないけど!」
「おっほん!」
再び店長の咳払い。私は口を押さえてから、今度こそ小声で話しはじめた。
「……しっかりしてるから年上だと思ってた」
すると件の人物は紙パックの飲み物を棚に並べながら苦笑した。
「年上っすか。せめて同い年がよかったなぁ」
「あ、いや、別に悪い意味じゃないんだって」
慌ててフォローを入れようとすると彼はまた、はは、と笑った。
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