1 自分がこんなにもちっぽけだと、君に会って気付かされた。 「えっ、十八!?」 お客さんが途絶えたちょっとした時間に分かった驚愕の事実に、私はつい大声を出してしまった。 「ん、んーっ」 レジに立っていた店長が咳払いをしてこちらに睨みを効かせた。 苦笑混じりに愛想を送ってから、私は隣にいた人物に改めて視線を送った。 今はしゃがんでいるから分からないけど、立てば背は高いし、仕事もいつもしっかりしてるし、とにかく「落ち着いてるなぁー」というのが第一印象だったので、ただただそのギャップに驚くばかりだった。 「はは、そんなに老けて見えました?」 「ううん! そういうんじゃないけど!」 「おっほん!」 再び店長の咳払い。私は口を押さえてから、今度こそ小声で話しはじめた。 「……しっかりしてるから年上だと思ってた」 すると件の人物は紙パックの飲み物を棚に並べながら苦笑した。 「年上っすか。せめて同い年がよかったなぁ」 「あ、いや、別に悪い意味じゃないんだって」 慌ててフォローを入れようとすると彼はまた、はは、と笑った。 [next#] |