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こ話
いつもの事なの[ルカメイ]
※以下拍手お礼小説です

「あら、偶然ね。」
「本当ですね。今帰りですか?」

メイコが頷けば、ルカは嬉しそうに笑い、一緒に帰ろうと提案する。

二人は仕事帰りだった。
肌を刺すような冷たい風が容赦無く吹きすさぶ。雪を含んだような重たい雲が空に立ち込め、今にも雪の降りそうな朝方。

そんな朝、別々の場所で仕事があったにも関わらず、偶然鉢合わせた。


「ルカ、寒くないの?」
「メイコさんこそ…スカートで寒くないんですか?」

二人が言葉を交わし、お互いの服装を見遣る。二人とも短いスカートにタイツといった薄着で、着ていたコートもすらりと伸びた足を覆ってはいなかった。


「まあ…寒くても我慢、よね?」
メイコが笑いながらルカに問い掛ければ、そうですねとルカも笑う。

つまり、女性は寒さよりもオシャレを優先させる事もあるという事だ。


「でも少し心配ねぇ…」

メイコが呟くように言えば、ルカは不思議そうに聞き返した。

「メイコさん、何かおっしゃいましたか?」
「だってルカのスカート、風でめくれそうだし?」

わざと意地悪そうに言うメイコにルカは真っ赤になった。しかししばらく反論の言葉が見つからずうなだれるばかりだ。

そんなルカを見兼ねてか、メイコは
「次からはズボンにしなさいね。女の子は体を冷やしちゃ駄目よ。」
なんて優しい母のような眼差しで微笑む。

「メイコさんだって…冷えますよ?」
「私は毛糸のパンツ履いてるから平気!」
そう意気込むメイコを見てルカは笑う。


「やっぱり、私ズボンは遠慮しておきます。」
「何よー。私の心配が分からないの?」
「だってメイコさんが私の心配してくれるだなんて、幸せですから。」

だって私の事を考えて下さる時間が増えるという事でしょう?と幸せそうににやけるルカ。
歩を進めながらメイコは赤面する。


「馬鹿。あんたの事なんていつも考えてるわよ…っ!!」


重たい雪雲の隙間から、朝日が漏れ出していた。寒い早朝、二人きりの暖かな帰り道だった。



・*・*・*・

この後は二人で毛糸のパンツを買いに行くのですね…うらやま…ゲフン
寒さを我慢して短いスカートを履く女性は、健気で可愛らしいです。

朝方の雰囲気が大好きなんです…!
では、拍手ありがとうございました!


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