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こ話
お揃いの二人[ルカメイ]

※以下拍手お礼SS


「メイコさん、手相を見せて下さい。」

そう言って、満面の笑みのルカは私に話かけてきた。
片手には何やら分厚い資料を持ちながら。

「手相?」
「はい!手の平の皺によって運勢を占う、日本ではポピュラー、いえ…popularな占いで……」

一気に興奮したように話そうとするルカに一度止まってもらおうと、

「それは知ってるわよ。嫌。手相…というか占いとかの類いを私が信じないのはアンタだって知ってるでしょ?」

といえば、ルカは一瞬言葉に詰まった。


「で、でも…」
「それで、その手に持ってる資料は何なの?」

ルカが手に大事そうに抱えていた大量の資料を指さすと、ルカの細い肩は小さく跳ねた。

「これは…何でもないんです。すみません…。」

しゅんとなるルカを見つめる。
しかし、私は全て知っていたのだ。ルカが手相に関する資料を、ここ一週間ほど集めていた事を。
資料集めに協力していたリンによれば、どうやら私に手相占いをしたいという事らしかった。

リンからそれを言われた時は疑問に思ったが、私もこの一週間何もしなかった訳ではない。そしてある一つの答えに辿りついた。


「ルカ。大丈夫よ、そんな事しなくても。」

なるべく優しい口調を努めて、柔らかく微笑んでみた。
見る見る内にルカの頬は赤みを増した。鮮やかなブルーの瞳に動揺が垣間見えた。


「だって私達は、手の形はおろか、ボディパーツに至るまで、形は一緒じゃない。」
そう、私とルカは体はほとんど同じに造られているのだ。元々似たような体型に、同じような大人の女性ボーカロイドという事で、ボディパーツは設計者が私を元にしてルカを制作したのだ。

初めこそ手抜きだ何だと文句をつけたものの、今となっては私結構気に入っている。

「ルカ、一週間前に本社に行ったって言ってたから。そうかな、って。」
「だ、だって…!メイコさんと私の共通点を見つける度に嬉しいのが私だけだなんて…!」

そんなのずるいですよ、と声にならない声でルカは言う。


私はため息をついた。それから、ルカの手と自分の手を合わせ、優しく耳元で囁いた。


「私も嬉しいに決まってるじゃない」

と。



(2011.3月拍手お礼小説)

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あきゅろす。
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