[携帯モード] [URL送信]
一輪花のように[ミクルカ]


「HAPPY BIRTHDAY!ミク!」


綺麗な発音と、響く美しい声。
そう、これは、私だけに向けられた言葉。

「ありがとう。ルカ姉。」


素直に御礼を言うと、いつもはあまり見せない笑顔が見えた。

そんな時に私はいつも、
ああなんて幸せなんだろう、と心から思う。


「あのねミク。これプレゼント…。良かったら使って。」


そう言って手渡されたのは、綺麗にラッピングされた手の平に乗るくらいの、
小さめの包み。


「ありがとう。開けてもいい?」


どうぞ、という言葉を聞いたあと、
巻いてあったリボンを解く。

中から現れたのは、きみどり色のマグカップだった。


「ミクの色を選んでみたの。ネギの色。」

「ありがとう!すごく嬉しいよ!」


ネギ、かぁ……。
もちろんネギは大好きだけど、私にとってこの色は違う意味も持っている。


「この色はね、茎や葉っぱの色なの。」

「茎って……花の茎の事?」


ルカ姉は、少し興味を持ったようだ。
桃色の瞳で見つめられ、少しドキドキする。


「うん。綺麗な花は、茎や葉っぱで支えてあげれば、もっと綺麗になるから。」


そう言って笑いかけると、


「ミクは難しい事を考えるのね。」


とルカ姉も微笑んでくれた。


きみどり色は、支えるための色。
もちろん、美味しい物の色でもあるけれど。


そして密かに、ルカ姉のイメージカラーの事を考えた。

可愛らしく、艶やかなピンク。
それはまさに美しい花にふさわしい色。


気高く、時に可愛らしい花を守ってあげられる。そんな茎になりたい。



「ルカ姉!私、ルカ姉の茎になるよ…!」

「ミク。いつにも増して意味が分からないわ。」



ひどいよルカ姉、今のは告白のつもりだったのに、などと考えていると、
ルカ姉が手を握ってきた。



「HAPPY BIRTHDAY。生まれてきてくれて…ありがとう。」




ああ、やっぱり幸せ。
花に愛される茎なんて、こんな幸せな事はない。

そう、まさに私達は
一輪花。





・*・*・*・*・*・

ミク誕…!
久々のミクルカでした。

ルカメイもいいけど、ミクルカも好きです。

ミク、生まれてきてくれてありがとう!


[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!