試したいお年頃
◇2.
その夜、要が部屋で寛いでいると部屋のチャイムが部屋に鳴り響いた。
それに要が出ようとソファーから立つ前に、ひとりでに鍵があき開く扉。
それに怪しんだ要だったが、すぐに見知った顔が玄関から見えたため驚いた。
「たく、おせぇんだよクソが」
「は…無断侵入者が何を偉そうに」
「うるせぇ、俺がチャイム鳴らしたらすぐ開けろ」
なんという俺様自己チューな男なんだろうか…。
これで生徒会長など世も末だ
要もそう思ったのだろうか、少し遠くを見ていた。
そんな要など無視した暴君こと蓮は、これまた堂々と要が座っていたソファーにドカリと座り寛ぎ始めた。
こいつ…何しに来たんだ…
眉を寄せた要はキョロキョロと部屋を見渡す蓮に話しかける。
「お前、何しにここに来たんだ…?」
「あ?んなの決まってんじゃねぇか…」
ニヤリと悪い顔をする蓮
それにすぐさま嫌な予感をキャッチした要は後ずさったが、蓮は目ざとくそれに気づく。
「なーに逃げてんだよ…クソ風紀委員長?」
「っ!お前…まさかとは思うが…」
「勿論ヤりに来たぜ?」
やはりかと自分の予想が正しい事がわかった要は唇を噛む。
あれから一度も蓮に会ってなかった要は少し彼を警戒していた。
しかし、今日久しぶりに会った蓮のあの素っ気なさに心底安堵したのだ。
あぁ自分はセフレなるものになってしまったと落ち込んでいたが、向こうはあの時の雰囲気に呑まれて言ったのだろう…と。
つまり、あいつと私は前と余り変わらないという事だ。
そう結論を出してから、安心して部屋で寛いでいた矢先にこれだ。
[少し休憩だ][試そうぜ?]
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