『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』 ページ:10 仲間達は、膝をついて虚空を見つめて動かなくなった渉を守るようにして立ち、残滓を攻撃していく。 暦翔「お前だけは…許さない!」 暦翔はズタボロの体に無理矢理鞭を打つ。 サクリファイスが残滓を喰らおうとするが阻まれる。 その阻んだシャドウをマーリンと共に駆逐する。 玄治「ぜってえ殺してやる!」 旋風がシャドウを吹き飛ばし、ベンケイの棍が残滓の頭を捉えるが残滓はまだ嘲笑う。 阿莉愛「ナギサの仇…」 ワルキューレの矢の一撃が残滓の頭部を捉えるが、それを腕で弾き飛ばされる。残滓の足元を凍り付かせて再度、頭部の目玉を狙う。 結菜「お前の全て暴いてやるから!」 魅奈「許しません!絶対に!」 二人は手を合わせ、残滓のみならず残滓が呼び寄せたシャドウ達の全てを捉え、どう動くか読み解く。 そしてそれに合わせて仲間達が動いていく。 寛太「許さん…」 ベオウルフの雷撃が辺りを消し、ベオウルフは残滓に突撃する。 阻むシャドウは斧で蹴散らすのみならず、踏み砕いていく。 真弥「お前に死を持って償わせよう!」 ゼノビアが光の柱を立て、その光に当てられたシャドウは消滅していく。 さらに頭を狙って槍を構え、突撃する。 自分が傷付こうがお構いなしだ。 仲間達が残滓と戦っている間、渉は呆然としていた。 そしてナギサの血で出来た血溜まりを眺めていると夏にプレゼントしたブレスレットとそこに小さな紙が挟まっていた。 渉「?」 渉がそれを開くと色々と告白の文章が載っていた。そうこれはナギサのカンペだった。 渉「はは」 渉はそれを見てクスッと笑ってしまった。 渉「もしかして…ここしばらくいなかったのって…」 ──俺に告白する練習でもしてたのかな?──。 そして、その紙を握り締めた。 渉「ナギサ、ありがとう」 なんだろう───少し元気になったような気がした。 そう口にすると残滓の方を振り返る。 仲間達が攻撃した傷もまたシャドウを吸収し、癒してしまっていた。 さらに姿もまるでファンタジーの世界に出てくるようなドラゴンの背中に邪神の残滓が寄生しているかのような姿となっていた。 渉が立ち上がったことを見た仲間達は口にしていく。 そのどれもが 「渉はもう頑張らなくて良い、あとは俺が、僕が、私が、代わるから」 だった。 だが、ここは自分がやらなければいけない、と渉自身思ったのだ。 渉「俺がここで逃げたら誰かのために…ナギサのために頑張ると決めた自分に嘘をつくことになる……そんなのナギサを裏切ることになる…そんなこと出来ない!」 渉はナギサのブレスレットを強く握り締める。 手のひらに食い込むほど強く、血が止まるほどに強く握り締めた。 渉「俺は諦めない…諦めずに前に進めば必ず道は開けるんだと…俺は仲間からナギサから教わったんだ、だから諦めない!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |