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nvl・L
デイとの勤務・1


泥『旦那ー。点検始めるから、レジ見といておくれ。』




蠍『おー。』





デイダラが入ってから、早くも2週間が過ぎようとしていた。


デイダラはサソリより2つ下の19歳。
今までもフリーターとしてバイト経験があるためか、業務の呑み込みも早かった。

手慣れな接客を見て、前も接客業をしていたのかと問うと、『うん、…まぁ接客はしてたよ、…うん。』とキレの悪い返事が返ってきて、それ以上は教えてはくれなかった。




旦那と言われているのは、デイダラの敬称らしい。
研修中はイタチと3人でシフトに入っていたが、ほとんど俺が教えていたためか懐かれたようだ。(イタチはいつも新人教育にはノータッチ)
サソリもそんなデイダラに親しみを覚え、デイと呼ぶようになった。



旦那旦那と言ってくるデイダラは、とても可愛らしく、サソリの口元を緩ますには充分であった。



しっかりと業務をこなすデイダラを見て、リーダーの人選もたまには役立つのだと思う。
まぁ、本人には言わない。
奴はすぐ調子に乗るからな。


デイダラは研修を終え、今日は初めて相方として、2人で業務をこなしていくこととなった。


早々にレジの点検をこなすデイダラ。
その間にサソリは客の相手をする。

目の端にデイダラを写しながら、こいつとは良いコンビが組めそうだと微笑んだ。







**********







蠍『デイ、疲れてないか?』



泥『んや、オイラは平気だぞ、うん!』




蠍(んな、訳ねーだろ。)


ここ2週間、デイを見て気付いたことは、奴は絶対弱音を吐かない。

なんつーか、負けず嫌いというか、変にプライドが高いようだ。


一度フライヤーを使用していた時、揚げ物が爆発したことがある。

近くにいたデイに大丈夫かと問うと、大丈夫だと返ってきて安心したのも束の間。実は腕に火傷を覆い、ほったらかしにした結果、患部は水膨を形成し酷い状態になっていた。

それでも、平気だという糞餓鬼にサソリは本気で激怒した。

そんなこともありデイには特別気を使うこととなり、僅か2週間で立派な親バカに成長した。




今は深夜3時、店内に客がいないことを確認すると、デイを連れ休憩をとることにした。



あきゅろす。
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