nvl・L
デイとの勤務・1
泥『旦那ー。点検始めるから、レジ見といておくれ。』
蠍『おー。』
デイダラが入ってから、早くも2週間が過ぎようとしていた。
デイダラはサソリより2つ下の19歳。
今までもフリーターとしてバイト経験があるためか、業務の呑み込みも早かった。
手慣れな接客を見て、前も接客業をしていたのかと問うと、『うん、…まぁ接客はしてたよ、…うん。』とキレの悪い返事が返ってきて、それ以上は教えてはくれなかった。
旦那と言われているのは、デイダラの敬称らしい。
研修中はイタチと3人でシフトに入っていたが、ほとんど俺が教えていたためか懐かれたようだ。(イタチはいつも新人教育にはノータッチ)
サソリもそんなデイダラに親しみを覚え、デイと呼ぶようになった。
旦那旦那と言ってくるデイダラは、とても可愛らしく、サソリの口元を緩ますには充分であった。
しっかりと業務をこなすデイダラを見て、リーダーの人選もたまには役立つのだと思う。
まぁ、本人には言わない。
奴はすぐ調子に乗るからな。
デイダラは研修を終え、今日は初めて相方として、2人で業務をこなしていくこととなった。
早々にレジの点検をこなすデイダラ。
その間にサソリは客の相手をする。
目の端にデイダラを写しながら、こいつとは良いコンビが組めそうだと微笑んだ。
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蠍『デイ、疲れてないか?』
泥『んや、オイラは平気だぞ、うん!』
蠍(んな、訳ねーだろ。)
ここ2週間、デイを見て気付いたことは、奴は絶対弱音を吐かない。
なんつーか、負けず嫌いというか、変にプライドが高いようだ。
一度フライヤーを使用していた時、揚げ物が爆発したことがある。
近くにいたデイに大丈夫かと問うと、大丈夫だと返ってきて安心したのも束の間。実は腕に火傷を覆い、ほったらかしにした結果、患部は水膨を形成し酷い状態になっていた。
それでも、平気だという糞餓鬼にサソリは本気で激怒した。
そんなこともありデイには特別気を使うこととなり、僅か2週間で立派な親バカに成長した。
今は深夜3時、店内に客がいないことを確認すると、デイを連れ休憩をとることにした。
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