Phantom thiefX
でーと、

(柳瀬 流輝×使里樹)



「ぎゃあ!終電っ!」

ブラックフォックスのメンバーとミッション成功祝賀会を開いて夜も更けた頃、チラリと時計をみるともうこんな時間!
やばい明日二限から五限まで授業あるじゃん、とりあえず帰宅せねば…!



「ボス〜!、私終電やばいんで帰ります」

ボス「え、?!終電早っ?今日二階に泊まっていけばいいじゃない、」

「いや、レジュメとか色々お家なんで今日は失礼します、」

ボス「そっか、誰か送って行って…、って皆泥酔してる…」

「ははは、」




今日のミッションは難易度が高く、このミッションのために二週間位缶詰状態だった。
だから皆気が抜けちゃったのかも、



「駅すぐだしお気になさらず!では!」



私は荷物をひっつかむと慌てて店を後にした



流輝「ああ〜気持ちわりい。ん?、アイツは?」



暫くした後、流輝が目を摩りながら起き上がった



ボス「終電だからー、っていってかけてったよ、」

流輝「んだよ、」



流輝が徐に使里樹のケータイに連絡した時、



ーーピリリリリ、




ボス「あー、使里樹ちゃんケータイ忘れてってるじゃん、」

流輝「たく、これ俺預かっとくわ、」

ボス「え、でも明日使里樹ちゃん取りにくるかもよ?」

流輝「いや、俺がアイツの大学に届ける」

ボス「流輝くん優し〜い!」

流かが「うっせ、」




片手を挙げて、寝るわと告げると流輝は二階の寝室に向かった






ーーない、ない、ない!?

落とした?!いやまさか、それはない。
じゃあ黒狐?あーもう、まあいっか、学校終わったら寄ろう、

五限の授業が終わり、生徒が一斉に校舎から出る。さっさと取り戻して帰ろう、だなんて思いながら正門に向かうと、何やら女の子達がきゃあきゃあと門の前に停車している車に目を向けていた。私の大学にはよく外交官や大使が講演しに来るから外車が停まるのは日常の一部だ、今日はどこの大使?、ぐらいにしか思わず、さっさと通り過ぎようとした瞬間ーー



「俺を待たせるな」



聞き覚えのある声がしてふと顔を上げたのと同時に肩をぐいと抱き寄せられた



「り、流輝さんっ?!」



えええ!!今日も相変わらずの爽やか俺様ドヤ顔でいらっしゃること!細身の黒スーツに白シャツに深い青のネクタイが彼の知的な雰囲気を更に引き立て…、



(…じゃなくて!!)



「どうしたんですか?!、」

流輝「これ何だ?」


意地悪そうにニヤっと口元を上げると差し出されたのは私のケータイで。



「!?届けて下さったんですか?!、ありがとうございます!」



私が受け取ろうとするとひょいとかわされた、


(え、何?)



「…?」

流輝「俺がわざわざ来てやったんだ。付き合えよ」



反論する暇もなく助手席のドアが開かれる、乗れって事だよね、




「失礼します、」

流輝「おーし。とりあえず飯な、」



キーを差し込んでハンドルを持ちながらくるっと後ろを向く。その流す様な視線にドキッとした。こんな完璧な男の人がお出迎えなんて贅沢だな、私。顔には出さないけど内心ベッドにゴロゴロ転げ回りたい気持ちを抑えてシートベルトを締めた



「…、」

流輝「?何だ、お前。緊張してんのか?」


心を読まれた気がして急に恥ずかしくなる、




「…、別に緊張してないですよ、」

流輝「ふ〜ん。」

「…、(ニヤニヤしててむかつくう、)流輝さん今日まさかの定時ですか?」

流輝「お前、俺を誰だと思ってる?終わらせて来たに決まってるだろ、」

「スゴイデスネ。サスガデス、リキサマハ。」

流輝「棒読み腹立つな、」

「あははっ!」




こうして流輝さんの隣にいることはあまりなかったから最初は緊張したけど、流輝さんも気を遣ってくれているせいか直ぐにいつもみたいに和やかな雰囲気になる、




流輝「お前の大学いいな、」

「ありがとうございます。私も大好きなんです!」

流輝「特に女、流石。美人多いわ」

「……(やっぱそこかい)」



(前後撤回。ただの肉食男でした。)



ーー


六本木にあるレストランに到着した。
私達がレストランに入った瞬間、受付の人が「お待ちしていました、柳瀬様」だなんて挨拶をされ、個室の席へ通された。
多分事前に予約してたんだな、だなんて考えながら通されたイスに腰掛ける



「お仕事お疲れ様です、」

流輝「ああ、正直仕事よりお前にケータイ届ける方が疲れたよ、」

「うわ、ひどっ!」



くくっ、だなんて笑って普段飲まないようなお酒で乾杯したーーー





「今日はご馳走様でした、」

流輝「ああ、うまかったな」


お会計の時、財布出す振りを一応礼儀として見せたら流輝さんに貧乏学生のくせに、とか言われてくしゃっと頭を撫でられた
フリですよフリ、ぷぷぷーっ。だなんて言えるはずもなく、久々に顔が赤くなったのは秘密だ



流輝「この後は?勿論付き合ってくれるんだろ、」



駐車場に戻り、シートベルトを締めた時、流輝さんが私の手を握って囁くように言った、




「………。いや、帰ります。明日二限なんで。」

流輝「ぶっ、! 即答かよ!俺より二限を取るとはな、」




流輝さんは心底可笑しそうにしながら私を駅まで送って行ってくれた




「今日は色々ありがとうございました」

流輝「いや、久々にうけた、」

「(うけた?)では、失礼します、」

「ああ、またな」




私が改札を通るまで居てくれた流輝さん、たまに、ってか9割型いらッとくるけど許してしまう、とりあえずこのドキドキは一週間位持続しそうだ






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あきゅろす。
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