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学園ノ噺


それでも話しを聞いて欲しいらしく、仕事も丁度終わったから、3人でソファーに座り、俺と八江沼は昼食を摂りながら、中新田の話に耳を傾けることにした。



「食堂に行ってさぁ、いつもみたいにチワワちゃんたちに手ぇ振ってたらさ、不潔な頭が見えたもんだからぁ、声かけたんだぁ。」

「まず、そこで人生の選択間違ったな。で?」

「自己紹介したら、いきなり名前呼び捨てにされてぇ、で、生徒会役員だってわかるとぉ、友達いないってみなされてぇ、極め付けは、セフレやめて俺だけにしろ宣言しやがったんだよぉ。誰があんなやつのケツに突っ込みたいと思うんだろぉ?」

「明らか、過去の先輩ッス。」

「なぁにか言ったぁ、八江沼ちゃぁん?」



…どうして、八江沼はこうも他人に突っ掛かるんだ。
いや、俺に害がないからいいけどさ。



「下半身に友人がいないってのはありえねぇよなぁ…」

「だよね、だよねぇ!さすが、俺の恋人」

「じゃねぇよ、下半身。」

「そうッス!なに下半身先輩がでしゃばってんだぁ?ツル先輩は俺の」

「じゃねぇ、つってんだろこのボケ。」

「あぁん!その蔑む目がたまんないッス。」

「一遍死んでこいや。」

「ドMキモいぃ〜。」

「たかが下半身は黙ってろ。先輩のこの蔑みは極上の」

「いや、テメェも黙れ。」



耳が腐りそうな会話に、俺は生徒会室を後にした。

生徒会室と風紀室は特別棟の2階にある。
3階は理事長室や応接室がある。
1階は会議室や、部会室、委員会室。
地下は停学処分されている生徒の隔離室と罰則室。
あんまり使われたことないけどな。
たぶん、久々に開くことになりそうだ。

一般棟は、普通の学校と同じだ。
ただ特別棟とは、高い壁とたった一つの門で隔てられている。
だから基本、一般生徒は特別棟には入れない。



クィクィ…



「あ?」



袖を引っ張られた方を見ると、七夜のネコがいた。
…ネコって恋人のことな。



「どうした、カノン?」

『し ん に ゅ う し ゃ 。』



カノンは唇だけでそう俺に伝えた。



「わかった。どこだ?」

『 き て 。』



手を引かれ、カノンの後に付いていった。



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あきゅろす。
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