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学園ノ噺


必死で走って、エレベーターの下三角ボタンを連打して、1階のボタンを押し、閉まるボタンを連打。
続いて、1階に付けば開くボタンを連打して、寮監室までまた猛ダッシュ。



「か、管理人さーんっ!!」

「おわっ!どうし」

「どうしたも、こうしたも、な、何かが見えて、別世界がオープンで、な、え?ここ?は?」

「…うん、落ち着こうか。」



落ち着けるかぼけぇ!!
と、叫べたらいいのに…。

とても強烈ピンク世界が見えてしまった。
そりゃもう、童貞…のオレにはきつい光景が。

童貞だよ、ちくしょー!!
エロ本とAVと右手がお友達だよ!
悪いかっ!
顔のつくりが恐ろしく平凡すぎるんだ!!…と信じたい。



「セックスしてたのでも見たんでしょ?」

「そ、そんなあからさまに言わんでください!まだ真昼間ですよ!?」

「あの子には、時間なんか関係ないからね。」

「そうですか。…じゃなくて!!」

「あー、わかった、わかった。とりあえず、部屋ん中おいで。」

「…すみません。」



どうぞ、と案内された寮監室は、お兄さんの部屋も兼ねているようで、本やらPC、生活雑貨があった。



「はい、お茶。」

「あ、すみません…。」



適当に座っていると、差し出されたマグカップには茶色い液体。
まぁ、紅茶だが…。



「あのさ、枕木君。君は、ここの噂知らないの?」

「噂?」

「あー、その分だと知らないみたいだね。」



そりゃもう、特待生の制度にしか興味なかったですから。
好きなことを極められるわ、生活は保障されてるわ、バイトしなくていいから作品制作に全部時間回せるわ、って良いことずくめだもの。



「ここはね、ある女性たちに大人気の学校なの。」

「はぁ。」

「男と男のイチャイチャとか、チューとか、セックスとかね。」

「最後が露骨です。」

「ま、いわずもがな、巷で大流行の腐女子だね。一部、貴腐人とも呼ばれるみたいだけど。」

「…なんか、見えてきました。すご〜く気づきたくないことが。」

「ごめんね、気づかせちゃうけど。男子校で、思春期で、全寮制、性欲は真っ盛り。ベクトルは自然と同じ男に向けられるってわけ。」

「エロ本とAVと右手か左手で十分じゃないですか!なぜそこで同性に走った!?」

「アハハ…」



お兄さんの渇いた笑いに、受け入れて諦めるしかないのだろうか?
流石に、女の子との青春は諦めてたけどさ。



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あきゅろす。
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