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大空と錬金術師
ニーナ


エド達がタッカーの家を訪れるようになって4日が経った。

その間エドとアルは資料探し、ツナは食事の用意とニーナの世話を行っていた。


『多分今日明日で関連資料読み尽くすから!』

ツナは昼飯のシチューを用意しながら今朝のエドの言葉を思い出す。

あの時はあんな膨大な資料を一部とは言え一週間足らずで探し尽くせる二人に唖然としてしまった。

「こんな感じかな?」

味見をして一人頷いたツナは火を止める。

シチューは煮込む時間が長かったため、珍しく料理中に洗い物を片付ける事ができた。

「タッカーさんは自分で来てくれるから良いとして……エド達呼びに行こうかな」

エプロンを外したツナは台所を出る。

(本当にこの家広いなあ……)

資料室へ向かいながらしみじみと思う。

恐らく知っている家の中では内藤ロンシャンの家の次に広いのではないだろうか。

(でもロンシャン君の家はそれだけ住人も多いしな……)


少し前にニーナが母親が二年前に実家に帰ってしまった事を教えてくれた。

ツナの父、家光も二年前家から姿を消し、つい最近まで蒸発したと思っていたため、ツナは少しだけニーナの気持ちがわかる気がした。

(あんな父親でさえいなくなったら家が広く感じたもんな……)

一般的なサイズの家に住む自分ですらそうなのだ。

ニーナはもっと寂しいだろう。

(今日は後片付けに時間かからなそうだし……ニーナと思いっきり遊ぼうかな)

そう思いながら資料室の扉を開ける。

「ご飯出来たよー……って……あれ?」

資料室には誰もいなかった。

思わずツナは首をかしげる。


「どわああああ!!」

「あははは!」


不意に開かれた窓から風に乗ってエドとニーナの声が聞こえてくる。

ツナは窓から外を覗いて、それから微笑んだ。


「先越されちゃったか」


そこにはニーナとアレキサンダーと遊ぶエドとアルの姿があった。


「エドー、アルー、ニーナー!ご飯出来たよー!!」

窓から身を乗り出して言うとニーナの嬉しそうな笑顔が返ってきた。



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