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日曜日。


大丈夫、まだ忘れていない。


『ゆうと、ゆーと…。』


名前だって言える。
だから大丈夫だ、まだ覚えてる。





さっき、侑斗から連絡があった。
今からイマジンを倒しにいくらしい。
つまり…。



私は侑斗を忘れる。



『ゆう、と…。』


出てくる涙を必死にこらえ、唇を噛み締める。
春になきれていない冬の寒さに身体が震える。


さっきまで家にいたが、
家だと寂しくて、公園にきていた。
公園から家は近いし。


『…ゆうと、』


名前を呟いて忘れていないことを確認する。もしも忘れなかったら侑斗をこらしめてやろう。


椎茸攻撃だ!!




そうだよ、侑斗なんか椎茸に…、


侑斗…?



ゆうと



ゆ、うと



ゆう…、








『私、何してたんだっけ。』


たった1人で公園?
小学生じゃないのにどうして?

晴れてないし、曇り空だし。




ポツ



『きゃ、ちょ!!雨!?』


だんだん強まる雨。
家にむかって走った。



あれ、私…。
何か忘れてる?


何を? わからない…。


でも思い出さなきゃいけない気がする。
思い出せ、忘れるなって、聞こえる。



バタン



家について、濡れた上着をぬぐ。


カツンッ



『ん?こんな傘あったっけ。』



ビニール傘ばかりのなかで、1つだけ、
緑の傘があった。


『かえさなきゃ…。』


でも、誰に?




『ぁ、ああ…思い出せない…、うっ、思い出せないよぉ!!』



思い出さなきゃ。
思い出さなきゃ。



なんで思い出せないの。



なんでこんなに苦しいの。
なんでこんなに悲しいの。




『ゆうと…。』



無意識に呟いた名前は、
    一体、誰のものなのか。










最後の日曜日。
(いつか、未来で…。)







=====

終わりましたぁー!!
最後にエピローグかくんで←





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