[携帯モード] [URL送信]

SS置場5
リクエスト(吸血鬼パロ) P
ついったーで話していた妄想を文章化。元ネタはカラ色トリ籠の雛奈さん宅のSSSのロールです。 リクに
なるのかな?この設定にペンとキャスが居たらこんなかな〜ってのを話していたら「書いてv」という流れに
なりましたw 前にペンさんがこの設定でロキャスを書いた事(捕食)がありますが、今回はキャスに配役が
当たりました。 まぁ、千堂が好きそうなシチュです。ベタでも構わない方はスクロール!
あ、TLで話してた設定とちょっと違います。少し とある要素を加えたい衝動に駆られてしまいました














「我慢するな。渇いてるんだろ? 遠慮無く、飲めばいい」

言葉と同時に差し出された無防備な白い首筋に 堪らなく惹きつけられる
若く健康な男の身体を流れる熱い血潮の味が瞬時に脳裏に蘇って、キャスケットは無意識に喉を鳴らす

ふる・・・、と 身のうちに沸き上がった衝動を抑えるべく頭を振った動きは弱々しいものにしかならなかった

(今日で何日、"食事"を摂っていなかったっけ)

意識を他に向けようと咄嗟に頭に浮かんだ事に縋る
確か、ローが留守にした日だったから、先週・・・日曜日? なら、明日で丁度一週間になるはず。

日付を思い出そうと考えた事で、その日の記憶が蘇ってしまった
キャスケットが気を散らそうとしたのは逆効果。 ささやかな足掻きは無駄な努力に終わってしまう

(大丈夫。俺は、人間との混血だもの。普通の食べ物でも生きていける、はず・・・だ)

1度 彼の血を味わってしまったキャスケットにとっては 砂を噛むように味気ない食べ物にしか思えなかったが、
自分の中に流れる人間の血は普通の食べ物からでも栄養を摂取することを可能にしている
混血である為、キャスケットの臓器は生きていくのに必要なギリギリの養分しか吸収できないのだが、
"彼"に会うまでの16年の歳月を 自分は人間と同じ食物だけで生き延びたじゃないか

それが。
たった一度の血液の摂取によって、血の味の魅力に取り憑かれたキャスケットの身体には難しくなってきていた
それまでとは格段に違う、本来自分が摂るべき正しい食料を味わった器官は それ以外の食物を拒否しつつあった。
もともとギリギリの量しか得ていなかった身体は 本当であれば獲物を惹きけるのに足る、輝くような容姿を
しているはずのキャスケットの種族にあるまじき貧相な外見しか造れなかった
正しい食事を続けていれば蜂蜜色に輝く美しい金の色をしていただろうキャスケットの髪は、くすんで茶色掛かった、
辛うじて金髪と呼べるような色味をしており、筋肉の発達にまで追いつかなかった肉体は痩せた貧弱な造りでしかない。

「どうした? 欲しいんだろ」

ぐい、とキャスケットの頭を引き寄せたペンギンの首が目の前に迫る
健康に 命の輝きを放って脈動する血管が、美味しそうな香りを漂わせていて、ただでさえ普通のヒトより鋭いキャスケットの
嗅覚を刺激する。
空腹時の吸飲衝動に逆らい続けているキャスケットの視界が、もやのかかったように霞んでいく
「いや・・・っ、嫌だ、やめて、ペンギンっ」
離れようと蜿く動きは 力の無い人間であるはずのペンギンの腕に簡単に押さえられている
その気になれば簡単に振り解ける力のあるキャスケットの腕は、己の内にある衝動と戦うので精一杯で、
固く握り締めた彼の手が、わなわなと震えてペンギンの胸を叩いた
「はなっ、して・・・っ」
いやだ、と誘惑から逃れようと揺れる頭をペンギンの手が自分の首に押しつけた
「やっ、・・・っ」
ここまで接近したキャスケットにとって、それ以上の抗いは不可能だろう
一週間の食事制限による餓えは彼の理性を簡単に押し崩す
身体の欲求に逆らいきれなかったキャスケットが 泣きながら歯を立てたのが分かった
直後、身体から何かが抜けていくのを感じて ペンギンは奥歯を喰い締めて足に力を入れた
"キャスケットの食事"は いつもそうだ
強めの酒に酔ったような不思議な気怠さがペンギンを襲う
くらりとぶれる頭を、しっかりと彼の肩に視線を固定する事で意識を保つ
嫌がるキャスケットが最低限の量しか摂らないのは これまでの経験で知っている
どんなに餓えるまで追い詰められても、その量を過ごした事がない彼の意思の強さに苦笑しながらも、お陰で今日まで
命を繋いでいるのだからと唇を引き上げる

そのお陰で 食事の後も十分、運動できるだけの余力が残っているのだから ペンギンとしてもありがたい

はぁ・・・、と食事を終えたキャスケットの漏らした吐息がペンギンの首を擽った
暫く彼を抱いたまま 目眩が治まり頭がはっきりするまでじっとしていたペンギンが 食後のキャスケットの身体を引き離す

一週間ぶりに餌を与えられた彼の身体はつやつやと肌を輝かせ、心なしか髪の色も少し明るくなったように見えた
食後のくせに、怠そうに目を瞑ったキャスケットの少し汗ばんだ頬を両手で挟み、薄く開いた彼の唇に自分のそれを押しつける
「んぅ、・・・っ、」
嫌がるように身じろぎするキャスケットの身体を床に押し倒してのし掛かり、今度は逆にペンギンが彼の首筋に食らい付いた
「やっ、だ・・・」
いやだ、と口では言うくせに、食後で力も満たされているはずのキャスケットの抵抗はささやかすぎるものでしかない
ペンギンを押しのけようと上がった腕は簡単に剥がせるし床に縫い付けても振り払いもしない
さっきまでのくすんだ皮膚と違って滑らかな舌触りの彼の肌を丹念に味わうペンギンの愛撫に、徐々に 艶を含んだ声が
上がり始める

"ヒト"でありつづけようとするキャスケットの事だから、食後に"ただの人間"に喰われる事も、ギブアンドテイクだと
思っているのかも知れない
その証拠に、嫌がる彼の身体を最後まで堪能するのは 今日が初めての事ではないのだから

「なんで、"俺が吸血鬼でおまえが餌"じゃないんだろうな」

性格で言えば逆の立場の方がしっくりくるであろう自分達を振り返って呟いた声は、既に息の上がっている彼には
届いていないだろう
キャスケットの髪に手を差し込み、うなじを撫でるようにしながら彼の頭を持ち上げ 喘ぐ唇にキスを落とす

「おまえが人間でも、何者でもいいんだ。どちらだとしても、俺のものにする」

言い聞かせるように囁いて キャスケットの胸に唇を寄せたペンギンの頭を、無意識にか上がったキャスケットの腕が ぎゅっと抱き締めた






 捕食と主従の関係









あれー?Sペンにしたいなと思ったのにそんなにSでもないな 「吸血鬼のクセに人に犯されて悔しくないのか?」みたいに
言葉攻めとか入れるつもりが!Give & Take契約とかしてる設定で。 や、TLで話してた時は寧ろ仲が良いカップルにする
つもりだったんですよ。書き始めたら急にドSペンにしたくなってしまって!結局Sペンにならなかったんですけどね。
雛奈さんに捧げます^^ サイト方針でキャスにしていますがシャチ呼びにしてもらっていいですのでご自由にどうぞ!
そういえば文中で「食いしばる」と「噛み締める」が混ざった表現になっているのですが、どっちかにした方がいいかな・・・



[*前へ][次へ#]

10/100ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!