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SS置場2
捕食 L

ロキャスSSSです!ペンギン空気過ぎてごめんなさい!←  拍手のつもりでしたがあまりにも頻繁過ぎたので
通常更新にします。でも拍手並に短い。最近の更新て、丁寧に書けば普通の長さになるのに短く収めてるから
出来が微妙なんですよね。何を焦っているんだろう・・・ばかだな(と、本誌キャラに言われたい)









「・・・・ペンギン。 なんか今日はイヤに静かだね」
キャスケットの声にも反応せずに 黙って踞っている仲間に静かに近付く
拒絶の言葉こそないが、近寄られるのを嫌がっているのが 彼から滲み出るオーラが伝えていた
「無理するなよ」
そ・・・っと 腕に触れた途端、ぴくんと肩が跳ね、抑えていたらしい呼吸に荒い息が混ざり始める
ペンギンが食事を嫌がっているのは知っているのだけど、放っておけば動けなくなるまでこうやって踞っているのだから。
「腹減ってんだろ? もう3日も食べてない」
まだ若くて健康なキャスケットは、自分が彼にとってどれだけ美味しそうな匂いを発しているか知っている
「動けなくなる前に食べて」
必死で組んでいるのだろう彼の腕は、もう目に分かるほど ぶるぶると震えていた
ペンギンが 必死で己の衝動と戦っている証拠。
「我慢して 仲間の誰かを襲ってしまったら大変でしょ。いいから、食べて」
彼の努力を無にするのは悪いけど 抑えきれなくなったペンギンが本能のまま仲間の活力を食い尽くしてしまったら、
その方が危険すぎる。後で我に返ったペンギンのショックも、今嫌がっている気持ちと比べものにならないはずだから。
香しい芳香を放っているはずの首筋を 彼の目の前に差し出し、伏せていた彼の顔を強引に上げさせる
ちらりと見えたペンギンの目は酷く哀しそうな色をしていて、見ているキャスケットの心に棘となって刺さった

次の瞬間 力強い手に掴まれて 腕の痛みに思わず上げかけた声を必死で呑み込んだ
彼は もう、本能に支配されてしまっている
獲物を逃がさないようにという無意識の力が キャスケットの腕に血が滲むほど強く爪を食い込ませていた
首筋に感じるペンギンの柔らかい唇の感触。
そこから 自分の生命力が流れ出すのが、捕食される事に慣れたキャスケットには手に取るように分かる
(大丈夫。 今日のペンギンの様子なら、まだヒトの理性の力が残っていたから、動けなくなるまで貪ったりしない)
震えそうになるキャスケットの体も、また生存本能に支配されているのだろう
頭でいくら理解していても、このまま体から全てのエナジィが抜き取られそうな恐怖に怯えるのを抑えられない

酸欠状態のように、ぼうっと霞んできたキャスケットの脳が考える事を放棄しかけた頃に、ペンギンが身を離した
力の抜けた体が床に横たえらえる
くしゃ、とキャスケットの髪を撫でた後、ペンギンは何かに急き立てられるようにして部屋を出て行った
食事を終えたペンギンが足早に立ち去る理由は分かってる。弱った獲物が目の前に転がっていたら、
最後まで食い尽くしそうになる本能を抑えきれなくなるから
(一晩ぐっすり眠って、ペンギンが気にしないような顔色に戻しておかなくちゃ。)
きっと 今の自分は酷い顔色をしている
激しい貧血に襲われた時のような怠い体が 鏡を見なくても自分の顔色を教えてくれていた

キィ ―――― ィ
軋む音を立てて扉が開く
「キャスケット、起きてるか?」
「あ・・・・・はい、船長」
どうやらペンギンは その足で船長に知らせに行ってくれたらしい
――という事は、彼は この後起こるだろう事を知っているのだろう
伸びてくる船長の腕に手を伸ばして指を絡める
(今この瞬間の自分の顔は ペンギンには見せられないな)
船長の声を聞いただけで 体中の血が逆流するように熱くなった
多分、顔なんかも 上気してみっともない事になっているに違いない
「今日は どんな感じだ?」
ゆっくりとキャスケットを引き寄せながら船長の手が頬をなぞる
それだけで、じん・・・・と 身体が期待に震えて キャスケットの目が潤んでいく
「ぁ・・・・もう、焦らさないで、船長」
媚びるように身を擦り寄せる自分は、船長には どんな風に見えているのだろうか
つぅ、とローの指がキャスケットの首を這う
「あ、跡・・・残って、る?」
息が上がってそれだけ言うのも切れ切れのキャスケットの首に、ローが唇を寄せる
「薄いキスマークみたいなアザになってるな」
ぺろ、と舐められて あぁう、と声を漏らして仰け反った
「キスマークで上書きしてやるよ」
「あっ、ん・・・せんちょお・・・っ」
気付けば自分の腕はローの背中に回っていて、脚を絡めるように腰を擦りつけている
「捕食されんのって そんなに気持ちいいのか?」
答える余裕なんてなくて キャスケットは、ぶる・・・と首を左右に振って ますます船長にしがみついた
「あぁ――別に、怒っちゃいねぇよ。 おまえから求めてくるのも楽しいからな」
「や・・・、言わないで、よ。・・・そんな、ことっ」
興奮する身体の熱を楽しむようにローの手が滑っていく
どこに触れられてもキャスケットの熱は上がっていくようで、先程までの顔色の悪さは跡形もなく消えていた
「んん、もっと、強く、抱いて――」
そんな事を口にするだけで、いつもの自分なら顔から火を噴いて逃げ出してしまうのに。
刺激を求める身体が舌を操って どんな浅ましい望みも勝手に言葉にしてしまう
「―――、船長っ 」
鎖骨を唇でなぞっていたローが 声に必死のトーンを感じて目を上げる
「・・っ、嫌わない、で」
言った途端、ローは いつもの彼からは想像もつかないような優しい顔で笑った
「ばぁか。 エロいおまえなら大歓迎だっつーの」
いつもが大人しすぎるんだ。だからギャップに自分で恥ずかしくて堪らないんだろ
言いながら、ローの唇が落ちてきて キャスケットの口を塞ぐ
「普段も もっと大胆でもいいぜ?」
漸く唇の離れたローが笑ってそう言ったのを弾みに、離れがたい と思ったキャスケットは自分から深く唇を寄せ
音を立てて激しく舌を絡め合わせた





  
 食事の後のちょっとした果報
 



翌朝、記憶に残る自分の醜態に身悶えるキャスケットも楽しみのひとつだなんて事は自分だけの秘密。
 







まぁ詳しく説明しなくてもなんとなく読み取って貰えるよねーと放置← ペンギンが吸ってるのは血じゃないです
生命力。説明は以上!あ、生命力を吸い取られた人は命の危険を感じて種の存続の本能が活性化するのか
発情してしまいます。ってことで詳しい事は決めてないけどそんな感じ〜 まぁここでペンギンがキャスケットに
片思いとかしてたらベタすぎるのでその設定は想定していません^^  しかし普通ならどう考えてもペンギン展開に
するお話ですよね。やっぱりそこら辺りも丁寧じゃないと自分で思う所以。


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