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「や、チアキちゃん」

「………」


正直戸惑ってしまった。


アオイよりも先に自分のもとへとジールが帰ってきたのだが、まさか今まで口もきいてくれてなかった人が自分から話しかけてくるなんて。


どう反応していいのか困ってしまう。



「やっぱり、諦めないんだ」


また、この話…

チアキは溜息をつきながらも首を縦にうなずかせた。


「そんなにアオイは優しかったの?」

「………」


チアキは前のことを思い出してみる。

短い時間たっだけれど、どれほど幸せに満ち足りたものだったのか、どれ程自分にとって価値のあるものだったのか、思い出してみる。


いつもふるえて怯えていた自分に付き添って、手を握ってくれて、怖い暗闇でも、ぬくもりで教えてくれたんだ。


一人じゃないんだって。


ついててくれるんだって。



暗闇のどん底にいても助けに来てくれたあの優しさは、今チアキの生きる糧なのだ。



だから、自分はつらくてもがんばれると思っている。



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