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「あのっ…!」

「まだなんかあるのかよ?」



明らかに怒っている。


低い獣が唸るような声を放ち振り向いた。



「アオイさんの旅に、一緒に連れて行ってほしい…です」

「…は?何それ。すっげー迷惑。」

「お願い…します…私……な、なんでもするから…!」

「……」



アオイはチアキの懇願する姿ににやりと口元を釣り上げた。



「なんでも、する?」

「うん、する…」

「します、……だろ?」

「し……ます…」



とても怖かった。


もうすっかりアオイは優しさの色を失っており、まるで自分の扱いが商人の男となんの変りもないことに怖さが心を震え上がらせる。



そして、自分は、商人に逃がして貰うために奉仕した女の子とやっていることが変わりないことも痛感していた。




それでも、得たいものがあるから。


まだ、僅かな希望にかけることにした。


じゃないと、全てに朽ちた自分をまた見ることになるのはいやだったから。


「……わかった、お前を連れて行ってやるよ。ただし、他の奴に助けを乞うのは一切無しだ。全部お前一人がやれよ。いいか、わかったな?」

「わかりました…」


うん、


大丈夫、



私はまだ、がんばれるよ…



アオイさん。



=第5章 心が終焉を告げた日 END=



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