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懇願するチアキ。
すっとからみつく手から腕を逃がすと、とても悲しそうな表情をみせた。
「いや……っ!」
しかしアオイはチアキの腰を引き寄せると、額に優しくキスをした。
「え…………?」
「お前こそ、あとからイヤだは無しだぞ」
「…っ」
チアキは唇をきゅっと噛んだ。
嬉しさと恥ずかしさと涙を堪えるためだ。
「何今更照れてるんだよ」
「だ、だって……!」
ぼっと焼けるように赤らめる表情のまま、俯き、そして隠すために両手で顔を覆う。
それはいつも傷ついた心を抱える少し大人びた彼女ではなく、幼さを全面にだしてしまう普通の少女の姿だった。
その様子にふふんと鼻を鳴らしたアオイ。
「ばーか、おせえよ」
「み、見ないで……」
今度は妖艶に耳元で囁く。
「手を…どけろよ、知空」
「…うぅ」
ずるい!、と心で訴えるも、アオイはチアキの両手を顔から剥がさせると、桜にそまる唇に顔を近付けた。
「っ……ん…ふ」
舌が中で絡みつく。
少し強引だけれど、どこか控え目な、深いキス。
本来なら手慣れなアオイはもっと荒々しく強く激しく事をやりたかったが、相手はチアキなので加減はしているつもりなのだ。
「んんっ」
それでもチアキはすぐに息をあがらせ、目で訴えてくる。
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