小説
織姫と彦星 坂陸奥
7月7日 いつも通りの日、君は突然言ってきた。
「陸奥〜今夜星ば見に行かんがか?」
「はぁ!?頭…そんな暇があるなら仕事しろ…」
何でいつも君は突然なんじゃ…。急に言われてもついわしは素直になれないのに…。
「じゃあ夜になったら迎えに来るぜよ」
オイッ…コイツ人の話ば聞いてたか?…もう今夜くらいなら許してやろう…。そして素っ気ない返事で答えた。なのに嬉しそうに笑う君…。
「陸奥、行くぜよ」
そして君はそっと私の手を握ってくれた。
「頭!?これはなんじゃ…」
「ん?ただ手を繋いでるだけじゃよ?夜は暗くて危ないじゃろ?」
「………。」
あぁ…ただでさえ君と二人は緊張するのに…手なんて尚更じゃ…。
「ほら陸奥ここじゃよ!!」
君が連れて来てくれた場所。そこには一面に星が輝いていた。
「わぁ〜綺麗じゃ!!頭…よく知ってたのう」
「そうじゃろ?これを陸奥にも見せたかったんじゃ」
「…頭…ありがと…///」
「陸奥…。ほらあれがデネブ、アルタイル、ベガ、夏の大三角じゃ」
君が指さす夏の大三角を覚えながら空を見る。
「あれは天の川がか?」
「そうぜよ。綺麗やき」
「頭…あれが織姫としたら彦星はどこに居るんじゃ?これじゃあ織姫がひとりぼっちで可哀想じゃ…」
「……。…彦星なら居るじゃろ?…ここに…」
「はぁ!?どこにいるがか!!」
「ここじゃよ…彦星がわしで織姫は陸奥じゃ」
そして君は私を後ろから抱きしめた。
「…そうか…」
あぁ…また素直になれなかった…次こそは…
「…なぁ…陸奥…わしの織姫になってくれんがか…?」
「…嫌ぜよ…」
「…どうしてじゃ?」
「だって…年に一度しか頭に会えないなんて嫌ぜよ…だから…無理じゃ…。わしがなりたいのは…織姫じゃのうて辰馬の女やき…///」
「!?陸奥…辰馬って呼んでくれたがか!?それに…今の言葉…本当か!?」
「…っ本当ぜよ…///」
「陸奥…ありがとな…わしだって陸奥の事、好きぜよ(笑)」
「……///」
ついに耐えきれなくなり下を向く。柄じゃなく頬が赤くなるのをみられたら恥ずかしいから…。
「そうじゃった!!陸奥…誕生日おめでとうぜよ!!」
「!?…覚えとったがか?」
「そりゃ好きな人の誕生日くらいバカでも覚えるぜよ」
「なんか嬉しいき…。」
もう心は嬉しさでいっぱいだった。
「陸奥の願いは何じゃ?できる事なら叶えるぜよ!!」
「わしの願いは…頭がスナックに行かない事やき…まぁ無理じゃろうが…」
「辰馬…でいいぜよ。それに願い事は叶えちゃる!!」
「…ありがと…辰馬…」
「なんか今日の陸奥は可愛いのう…お龍ちゃんに嫉妬したり…して」
「うっ…うるさい!!///」
それから二人は朝まで星を見ながら喋っていた。幸せそうな織姫と彦星の2人…
END
あとがき
1日遅れですが陸奥の誕生日小説1です私が住んでる福岡は雲が多くて星自体が見えなかった為…天の川も見れませんでした…みなさんは天の川見れましたか?
じゃあこれにて失礼します
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