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「シン」
俺がシンの目を見つめ名前を呼ぶと、シンは覚悟を決めたように俺の目を見つめ返してくる。
「いいから言えよ」
俺が言葉にすることを戸惑っていると、シンは困ったような顔をして優しく先を促してくれる。
「俺…、シンのことは大好きだし、信頼してるし…大好きな大事な友達だって思ってる」
「…あぁ」
「だけど俺…っ、どんなに考えても小百合だけは許せねぇよ。だから、シンが小百合を庇うなら…」
俺がその先を言おうとすると小百合が後ろからシンの名前を呼び、その声がそれを遮った。
シンはゆっくりと息を吐くと、小百合の方に顔を向けた。
「…こう言うことになるから、ノアさんの忠告や俺を通さず好き勝手にするなって…今まで散々言って来たよなぁ?小百合」
シンが静かな声でそう咎めると、小百合は慌てたようにこっちに駆け寄ってくる。
小百合は俺からシンを引き離すように自分の腕をシンの腕に絡ませ、自分の方に引き寄せた。
「おせぇよ。いつもは看守よりも俺を見張ってるくせによぉ、はやく俺とお前でこいつやっちまおうぜ?」
勝利を確信したような勝ち誇った笑みを浮かべ小百合は俺の方を見つめてくる。
小百合のその言葉でシンの表情が変わった。
「…いい加減にしろよっ!!いつもいつも俺のフォローを期待して待ってんじゃねぇよっ!!俺はお前の保護者じゃねぇ、うぜぇよお前」
シンが怒りを爆発させるように小百合に言葉をぶつけると、まったく予想していなかったのか、小百合は目を見開き硬直した。
「お前らも…小百合にいいように惑わされてんじゃねぇ!!ノアの箱船のトップは誰だ、ぁあ?ノアさんだろうが、俺に殺されてぇのか?!」」
シンは腕に絡まったままの小百合の腕を乱暴に振り払うと、室内にいるノアの箱船の囚人に向かって言葉を投げつけた。
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