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「っ〜!すっげー!すっげー!どうやったらこんなの作れんの?似合う?似合う?」
「おー可愛い可愛い。つーか似合うに決まってんだろ、俺が作ったんだからな」
「本当にありがとうワンワン…あ〜…どうしよう〜っ、俺今日絶対嬉し過ぎて眠れない」
生まれて初めて貰った手作りのプレゼントが嬉しくて嬉しくて、俺は机の上でジタバタともがいて幸せを噛みしめる。
「…ばぁか。早く降りろ、邪魔だ。無防備に敵に腹見せてんじゃねぇよ、襲うぞオラ」
「いーんだもん。ワンワン敵じゃないから。横になれって言ったのワンワンなのにー、俺の事好みじゃないって言った癖に〜」
溢れ出す笑顔をそのままにしてワンワンをからかうと、ワンワンは一瞬眉を寄せて机の上に乗り、俺の上に跨った。
「あぁ好みじゃねぇな」
当たり前だと言う顔でそう言うワンワンに疑問を抱いていると、ワンワンに顎を掴まれた。
「…?ちょっ?!駄目だってっ、さっき言ったじゃん〜ワンワンとキスしたらゼロが泣くんだって〜」
ワンワンの童顔なのに男前な色気が有り余る顔が近づいて来て、俺は慌てて抵抗する。
俺はゼロの涙を浮かべた哀しそうに揺れる瞳が脳裏をかすめ、いきなりキスしようとしてくるワンワンを必死に回避する。
何とか唇を守ろうとする俺をワンワンは面白そうに嘲笑うと、俺の抵抗する腕を机に縫い付けて強引に口づけて来た。
唇が触れた瞬間に脱力してしまった俺はゼロへの罪悪感に押し潰されそうになりながらも、やっぱりワンワンのキス気持ち良いなぁ…としみじみと感じ入ってしまう。
「…もー…駄目って言ったのに…!」
空気を吸い込む僅かの瞬間にすかさず抗議する俺を見て、ワンワンは悪い笑みを浮かべた。
「今の顔は結構そそるぜ?」
「…性格悪いよワンワン」
そう言えばワンワンは嫌がられたり抵抗されると興奮するんだったっけ、と記憶を思い起こしていると口の横に軽くキスされた。
「つーか、別にアイツとデキてるって訳じゃねぇんだからお前がアイツに操を立てる必要ねぇだろ。アイツもそう言ってたんだろ?」
「うんまぁ…それはそうなんだけど…」
「まぁ俺は別にどうでもいいけど」
「ワンワンって俺襲うの好きだよね」
俺の腰のベルトを自然な動作で緩めるワンワンに呆気にとられていると、ワンワンは完全にいじめっ子の顔で笑みを浮かべた。
「すっげぇ気持ちいい事してやろうか?」
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