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占いにたいして興味の無い俺にそのカードの意味はわからないが、いいカードだとはとても思えなかった。
「…ゼロは誰だと思います？」
「多分この間ノアの箱船に負けた奴だろ。ラクハとハイジが来る前だからもう2週間はたってる。
よく耐えた方だと思うぜ、俺だったらノアの性奴隷にされたその日に首吊るだろうからな」
ベリーズとゼロはエドアンの姿が完全に消えた水色の渡り廊下の先の方を見つめながら静かな口調で言葉を交わす。
「俺達の前に収容された囚人は新人歓迎パーティーで負けたのか」
そう尋ねる俺にベリーズは小さく首を縦に振った。
「もし今日亡くなったのがゼロの言う人物だったらラクハさん達の前に入所した囚人は全滅です」
「全滅って…他の奴らも負けたのか？」
他人事ではない。
俺達だって試合に負けていたらどうなっていたかわからねぇからな。
「いいえ、全部で5人居たんですが5人中2人は試合には勝ってます。
ですが2人ともアリスの森に配属されていたので次の日には2人共亡くなってました。
死因は多分アリスの森の囚人達による集団リンチで、もう２人は自殺です」
ベリーズの話を聞いて俺はここに入所した当日にオルフェ所長が口にした言葉を思い出した。
オルフェ所長が言っていたのはそう言う事か。
アリスの森はトップがチェシャ猫だと言う事もあって多分自然とアブノーマルな奴が集まるんだろう。
だからアリスの森に配属されたら集団リンチにあい、それを抗える力を持った奴かチェシャ猫に気にいられた奴しかおそらく生き残れないんだろう。
ノアの箱船に配属されても同じだ。
ノアは意外と仲間意識が強いみてぇだからヘマをしない限りは大丈夫かもしれねぇが、
ノアに別の意味で気に入られ目をつけられたら集団リンチが集団レイプになるだけで最悪な状況と言う点でアリスの森と何の変わりはない。
ネバーランドとエデンの囚人だって特別温厚な訳では無い筈だが、他のエリアの囚人達には手を出しても同じエリアの囚人を追い詰めるような真似はしない。
だからオルフェ所長はノアの箱船とアリスの森を引かなくて良かったと俺達に言ったんだ。
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