『看病はお好き?2』*
心の準備って必要だと思う。
無限の提案を実施中する自分を想像して顔を赤らめている俺は、火照る顔と早くなった心音に慌てながら部屋に戻った。
別に初めてのえっちってわけじゃないけど、いつもは朝比奈に主導権のある行為をこの場合は俺が握る事になりそうじゃん?
例えば、朝比奈の上に乗っている自分を想像したりして、かあぁと体温が上がってしまう。
「…恥ずかしい…」
キッチンで買い込んだものをしまいながら呟くと、それでも決死の覚悟(羞恥による悶死)を決めて寝室のドアを開けた。
「…どこ、行ってたんだよ…」
どうやら朝比奈は起きていたらしい。
入ってきた俺をベッドに腰を下ろして見つめる朝比奈は、暑かったのかシャツの前を全開にして不機嫌そうに顔を歪めていた。
「ごめん、ちょっと買い出しに行ってて…。」
「寝てなきゃ駄目だよ」と朝比奈に近付くと、
「汗、気持ちわりぃ…」
確かに首筋には玉のような汗が浮かんでて、心なしかシャツが肌に張り付いているようだ。
「着替え。下着と…あと無限に借りてきたんだけど。」
普段なら、無限の?と嫌な顔をするところだが、さすがの朝比奈も俺の服じゃ小さいとわかってるみたいだ。
チッと舌打ちをした後、仕方なくシャツを脱ぎだした朝比奈に、「ちょっと待ってて」とタオルを持ってきた。
「汗、拭くね?」
「ん。」
柔らかいタオルに汗を染み込ませながら、ゆっくりと優しく朝比奈の体を拭いていく。
くっきりと浮かんだ鎖骨を撫で、程よい筋肉のついた胸板をなぞり、ゆっくりと降下していく。
汗をかいている所為かいつもより朝比奈の体臭がして、しかもタオル越しにでも触れている所為で、なんだか動悸が早くなる。
…いつも、この体に抱かれてるんだよなぁ。
思わずそんな事を考えてしまい、さっきの無限の言葉を思い出して緊張で手に力が入らなくなりそう。
そんな俺の様子をジッと見つめる朝比奈の視線に、身体の中がじくりと疼いて。
「……夕陽…」
震える声で名前を呼ぶと、朝比奈の首筋に顔を埋めた。
「翔汰?」
突然の行動に驚きながら名前を呼ぶ朝比奈をゆっくりと押し倒すと、そのままちゅって首筋にキスをする。
…ヤバい。恥ずかしい。
まさか、自分からそういう雰囲気を出す日がくるとは思わなかった。
「熱…下がるって、いうから…」
ボソボソと蚊の鳴くような声で呟いたが、この距離なら丸聞こえだろう。
一瞬体を強張らせた朝比奈が、その意味を理解して薄く笑みを浮かべたのがわかった。
ちゅっちゅっ、と朝比奈の体に唇を落としながら、ズボンの前を寛げた。
もう既に固くなっている朝比奈のペニスに気付き、恥ずかしいやら照れくさいやら。
どうやら病人の特権をフル活用するつもりでいる朝比奈は、寝転んだまま俺の行動を眺めているだけだ。
ボクサーパンツをズボンごと下にずらすと、勢いよく飛び出してきた朝比奈の分身に赤面しそうだ。
てか、絶対してる。
一度体を起こして、ちゅっ、と朝比奈の唇に吸いつくと、舌を出されて軽くはんだ。
「ん、ふぅ、」
息がもれて、それがまた恥ずかしくて。
照れた顔を見られたくなくて、深く深く口付ける。
「ぁ、」
くちゅ、って音を立てて離れた唇が糸を引いてて悶えそう。
熱の籠もった視線を受けて居たたまれない気持ちの俺は、逃げるように朝比奈のペニスに顔を寄せた。
ぱく。
口を開けて先端を含むと、汗のしょっぱさとほんの少しの青臭い味が口の中に広がる。
「っ、…翔、汰っ?」
実は初フェラだったりする俺は、俺の行動に驚く朝比奈を後目に戸惑いながらぺちゃぺちゃと舌を使って舐めてみた。
先端の割れ目に舌を差し込んだり、カリをなぞって裏筋を吸ってみる。
熱の所為で熱いそれは、正直見た目はグロいしあまり美味しくはないけど、朝比奈のなら平気みたいだ。
多分あまり上手ではない俺のフェラに、それでもピクンと反応を示すペニスは俺の唾液でベチャベチャで卑猥。
舐めているだけなのにどうしても股間が熱を持ちはじめて。
「んっ、はぁ、」
窮屈になってきた前に腰を動かすと、無意識に朝比奈の足に擦り付けていた。
「…マジ、ヤバいから。」
熱っぽい呟きが聞こえてハッとした俺は、上を向くとベッドサイドの引き出しからローションを取り出した朝比奈に「来いよ」と誘われた。
恥ずかしがりながらズボンと下着を脱ぐと、ピンと上を向く自分のペニスを隠すようにシャツを下に引っ張ってみる。
「…だから、ヤバいっての。」
逆効果だからと楽しそうに笑いながら、腕を広げた朝比奈に抱き付くと、
「ホント、エロい。
…これ以上好きになったらどうすんの?」
耳元に息を吹きかけられて、ちょっと、嬉しいとか思ったのはここだけの話。
◇ ◇ ◇
「あ、あっ、んっ、ふ、」
ローションでグチュグチュに解された穴に朝比奈のペニスが突き立てられる。
上に乗せられ、いわゆる騎乗位で挿入した俺は、動く度に当たる前立腺に半泣きだった。
「やぁ、…ゆぅ、ひっ、あっ、あっ!」
はじめのうちは必死に動こうと頑張ったけど、あまりの気持ち良さにすぐへばってしまった俺は、腰を朝比奈に掴まれてガツガツと揺さぶられている。
「…翔汰、ん中、とっろとろっ…!」
突き上げながらさっきからそんな事ばかり言うから、その度に中をきゅうきゅう締め付けちゃって。
本当もう限界。イキそう。
「んっ、ひゃぁんっ!」
「クッ、」
不意に、ぐるんと腰を回されて中を抉るように擦られた俺は、はしたなく高い嬌声を上げてイってしまった。
おかげでうねりながら、ぎゅうっと中を締め付けてしまい、途端に胎内に熱いものが注ぎ込まれる感覚にぶるりと身震いした。
「やぁ、ん…あつぃ…」
そうじゃなくてもいつもより熱いのに、更に朝比奈の吐き出したモノが胎内にありありと感じて気恥ずかしい。
それでもいつもより朝比奈を感じれるっていうのが嬉しいとか、俺バカだろ?
どんだけ朝比奈が好きなんだよ。
くてん…と朝比奈に身体を預けて息を吐くと、いきなり身を起こした朝比奈にキュッと抱き締められてキスされた。
「…ふ、んっ……夕、陽…!?」
対面座位の格好で、本来なら小さくなっている筈の朝比奈のが奥に入り込み驚いて名前を呼ぶと、
「…不可抗力だから。翔汰がエロいのが悪い。」
「えぇ!?濡れ衣…!あっ、深、ぃって…!」
再びはじまった律動はさっきより激しくて、結局抜かずの三発とか元気過ぎるだろ。風邪どこ行った!
翌朝にはすっかり熱も下がりスッキリとしていた朝比奈の隣で、今度は俺が熱を出すことになったのは、まあ必然だろう。
今度は俺の番だな、なんて散々弄られて悪化した俺が、月曜日に学校を休む事になったのは余談だが、その翌日にはなんとか復帰できた俺が、言い出しっぺの無限に散々からかわれる事になったのは…もうなんか、忘れたい記憶だ。
朝比奈の、ばか。
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Dear、なっつー
リクエストは『お野菜はお好き?』
朝比奈×翔汰。風邪看病→えろ突入でした。
2011/6/3 *緒神
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