『蒼く続く空…』
…20。
…アイツが、死んでいた?
信じられなかった。
7月22日の朝。
自分の部屋で首を吊っていたらしい。
引っ越しの日の朝だった…。
足下に遺された遺書は、
『ごめんなさい』
の言葉で埋め尽くされていたあとに、
“誰にも教えないで欲しい”とひっそり書かれていたらしい。
他には何も書かれてなかった。
…俺の事も、何も…。
元々、転校の手続きをしていた事と
本人の希望でクラスメイトには知らせなかったそうだ。
…だから先生は教えてくれなかったのか。
ジイさんも、貸出し期限の過ぎた本の連絡で知ったらしい。
…俺はこれからどうすればいいんだろう。
もう写真だけになってしまったアイツを見つめた。
余り見たことがない無邪気な顔で笑っている。
…俺の所為だ。
俺があんな振り方をしたから。
俺が殺したんだ…!!
「…蒼生さん、でしたよね?」
名前を呼ばれて我に返った。
振り返ると、少し後ろに座って、俺を見ている。
手にはシンプルな大学ノートを持っていた。
「あなたは、侑史と仲良くしていてくれたの?」
何も答えられなかった。
「…あの子がね。…日記を書いていたの。」
日記?
その言葉に顔を向けると、目が合って視線を逸らした。
…辛い。
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