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…22。





「は?」ってなんだ!「は?」って!



自分で訊いたくせに明らかに「そんな事かよ」と言わんばかりに顔を歪めた無限を睨みつけると、



「っ、授業中に失敗したんです!……生徒に、キスされて…それで…」



本当、情けない。
口に出したら余計に自分の不甲斐なさが強調されていくみたいで思わず泣きたくなった。

じわりと目頭が熱くなっていく感覚に言葉を詰まらすと、




「…で?」
「……で?って…」


「んで、授業放棄して逃げてきたとか?」



馬鹿にしたような物言いにカチンときた俺は、同時に胸が痛くなった。

ツキンツキンと痛む胸は、一体なにを無限に期待していたんだろう。

慰めて貰えるとでも思った?
「気にするな」って?
俺ってそんなに弱かったっけ。




「…失礼な。逃げてませんよ。逃げるわけないじゃないですか…。
授業は自己紹介で終わっちゃったけど、とりあえず何食わぬ顔で最後までしました!」




ついつい怒鳴り声になってしまったのは、自分に苛ついたからかもしれない。
威張れるものではないが、それでも逃げなかったと必死で主張した俺は本当、みっともなくて。きっと馬鹿にされるんだろうと視線を臥せた。




「…ふーん。だったらいいじゃん。」

「へ?」



…いや、良くないだろ。
え?良くないよな?






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